足柄上郡にお住いのS様は、神奈川県内の役所に勤めており、親御様から母屋、アパート、月極駐車場の相続を受け保有しておりました。相続時に他の相続人に現金で分与を行う代わりに、これらの不動産を譲り受けました。その際に母屋修復費用を含め、他のカードローン等のおまとめも同時に行うため金融機関から不動産を担保に借り入れを起こしたとのことでした、。しかし、資産運用がうまくいかず、返済に苦戦するようになり、ネット検索の末弊社に融資の相談をしてきました。いくつかの金融機関に、リバースモーゲージのような利息のみを返済していく借り入れ方を相談したが、他行の抵当権が設定されているため断られたとのことです。
ご本人としては、オーナーチェンジを希望しており、いずれ買戻しをしたいとのことでした。親戚が近隣に多くいるため、何としても母屋を手放すことはできないため、良い方法はないかと相談してきました。
まずは、融資の可否を打診しましたが、やはり既存抵当権の残債額も多く更なる融資となると担保力不足ということで、希望する融資は難しいとなりました。そのため、保有不動産を売却し、返済に充てることを検討していただく選択肢を提案しました。しかしながら、やはり母屋は残したいとのことで、月極駐車場を先に売却し、足りなければ地続きの庭先を切り売りし、それでも足りなければアパートを売却するという順序で承諾いただきました。そこまでは理解していただきましたが、既存抵当権を抹消するためにはこれらの不動産を一括して売却しなければなりません。順番に売却していくことは実質不可能となりました。その為、弊社の関連会社に相談し、S様所有の不動産を一括して買い取っていただいた後、順次売却し、最終的に母屋を買い戻していただくというプランを提案しました。何とか関連会社に協力いただき売買契約を成立させ、既存抵当権の抹消でS様の月々の返済苦を和らげることができました。
同時進行で販売を開始しましたが、敷地が大きすぎて一般のお客様の反応はいまひとつでした。その矢先、地元の資産家の方がアパートを購入検討したいという問い合わせをいただき詳細の話を詰めていくことになりました。当面の間、相場よりもかなり高額で市場に出し状況を考察していたところではありましたが、先送りすればするほど好条件の購入希望客は減ってしまう事を経験上実感しておりましたので、何とか説得して取引につなげることができました。その後は、月極駐車場を建売業者に買っていただき、庭先も2区画に分筆し、一般の方と宅建業者に売却することができました。
残すところ、S様の買戻しのみとなりましたが、いざ買戻しを行うため金融機関に融資の相談をしたところ、他の借入がかなりの高額で残っており融資承認が下りないという事態になりました。当初の話では確実に買戻していただくことを条件に弊社の関連会社に協力していただいた経緯があるため、期限を定め買戻しができなかった場合退去していただく約束をしていただきました。期日ギリギリで何とかファイナンスがつき買戻すことができました。
業務完結迄時間がかかり、関係各所にご迷惑をおかけしましたが何とか完了することができました。ご相談いただいたお客様にどれほどの人がかかわるのかということを実感した取引となりました。