任意売却最新情報

岡山県K様「定年退職後、残ったローンに苦悩あげくに離婚」

岡山県津山市に在住のK様のご依頼です。K様は十数年前に自宅を購入し家族4人で生活しておりました。数年前にK様は定年を迎え仕事を退職、ローンの返済が残っていたので再就職をします。しかし、以前働いた時よりも収入は下がってしまい、その頃から返済が苦しくなっていったそうです。返済が滞るようになり、それが原因なのか夫婦仲も悪くなっていきついには離婚、子供たちも成人し一人暮らしを始め物件には1人になってしまったとのこと。K様はワンルームぐらいの賃料で住めるならオーナーチェンジをして、無理ならいさぎよく引越するので売却して欲しいとはっきりした方向性のもとご依頼を頂きました。

まずは債権者に任意売却の申出をして販売活動を行うことになります。今回の債権者は販売価格を指示してくる方式で状況を踏まえて価格を相談していくという事で査定書など所定の手続きをすませ販売価格の指示を受けます。指示の通り販売を進めていきますが反響はありません。津山市の方でも少しはずれに物件があり、さらに債権者からの指示価格は相場からして若干高い金額設定でしたのでほとんど反響は得られませんでした。販売開始してから1カ月程経過した頃に現状を報告し交渉したところ、価格を引き下げして頂きまた営業に励んでいきます。価格を見直して頂いてからまた1カ月程経過した頃にようやく2組のお客様から内見を希望する問い合わせを頂きました。そのうちの1組は既に現地を見ており立地・外観共に問題ない、後は室内を見て購入するか決めると購入を前向きに検討しているお客様でした。早速日程の調整をして内見して頂いたのですが、結果は購入を見送るとのこと。理由は物件の近くに繁盛している焼肉店がありその煙と臭いがするので、この場所で生活するのは難しいとのこと。もう1組のお客様も結局、他の地域の物件を探すということで内見の前日にキャンセルになってしまいます。しかし、見直して頂いた販売価格で内見の問い合わせが2件あったという事で販売に希望がみえ、引き続き営業活動をしていきます。しかし、それからが苦戦することになります。それからというもの問合せ自体一切なくなり地場の仲介業者へ営業電話をしても紹介できるお客様はいないと進展のない日々、販売価格のヒアリングをするとまだ販売価格が高いのではないかという意見を受け債権者交渉も続けていましたが、債権者はこれ以上価格の見直しができないとの回答。結局2組の問合せ以外には1件も反響、営業先での紹介もなく、債権者より任意売却の期間を終了し競売に移行すると連絡を受けます。反響が全くないので引き続き競売と平行して債権者と交渉をしながら任意売却の可能性を模索していくしかないと思っていた所で債権者より衝撃的な通知を受けます。それは「競売に移行した場合、今回の指示価格という基準はなくなり、いくらであっても完済できる金額でしか売却を認めない。」というのです。これまで債権者の指示に従って価格を決定して販売活動をして売れなかった物件を、金額を大幅にあげた完済金額で販売しなければ競売で処理をするという合理性のない話に当然納得はいかず何度も競売に移行しても任意売却の検討をして欲しいと話しましたが、結論は変わりませんでした。競売に移行するまで手続きに2週間ほどあるので、それまで任意売却を受け付けると言われ買主探索や何か方法がないか模索します。やはり一般のお客様で購入して頂ける方は見つからず買取業者に一縷の望みをかけます。以前一度買取査定をして頂いた業者に連絡をして事情を説明、以前提示して頂いた金額では足りないがいくらか買上していただけば債権者の指示価格に届くので、どうにか購入して頂けないか交渉をした所、確実に購入できるのであればという事で指定の金額まで買い上げて頂き条件を纏めることができました。

契約を締結するにあたりK様には資金なく引越費用が足りない問題も発生しましたが、買取業者がさらなる協力をしてくれ引越費用も負担して頂けるという至れり尽くせりの条件で無事契約締結、決済を終えることができました。K様は心機一転を図るとの事で全く別の県に引越されました。

今回、ここまで販売に苦戦するとは思いもせず、さらに債権者の方針により合理性のない対応に非常に苦労しましたが、結果、競売にならず任意売却によりしっかりと新生活を送れるかたちでK様の案件を終わらせることができ本当によかったと思える事例でした。