今回のお客様は、静岡県磐田市に戸建てを所有しているお客様でした。

代々引き継いだ土地家屋にお住いで、手放すことは当然悲しい事だが、体調の関係でお仕事に影響が出てしまい、住宅ローンの支払いが困難になったようです。どちらにせよ手放すことになるのであれば、競売で無理やり追い出される形になるよりも任意売却でメリットを最大限享受して手放したい。とのご意向で依頼を頂きました。

苦渋の選択の中でも賢い選択をされたお客様だと思いながら初対面時の面談を行ったことを今でも思い出します。

今回お預かりしたのは広い土地と、そこに建つ建物２棟でした。その内１棟が代々の家屋、もう１棟が、15年前に新築したという家屋でした。

物件の調査を進めていくと、建物が建っている場所は市街化調整区域であり、本地に建っている築浅の戸建ては限定宅地の条件が付いた土地に建っているものだったのです。

詳細のご説明は割愛しますが、販売して行くことが大変困難であり、買主様が限られてくるというのがこの物件の難点でした。

これはかなりの長丁場になると判断し、債権者になんとか任意売却期間を延ばしてもらえないかと交渉をしました。

実はこの案件は１年前にお預かりしたもので、ご相談頂いた時には債権者が競売へ着手する直前でした。この交渉により、今回の任意売却が成就するまでの期間約１年待って頂けたこととなります。この時点でお客様は、競売に掛けられるよりも長く現在のご自宅に住むことが出来たというメリットを享受できたこととなります。とはいえ、我々の役目はあくまでも任意売却を成就させ、お客様へより良い条件で新生活をスタートして頂く事です。それを達成できるようにと販売活動に努めたことは言うまでもありませんが、こういったメリットを提供できることも任意売却専門業者である弊社の強みです。

只、販売活動は本当に困難を極めました。「この物件を買っても新しく家を建て替えるのが困難」「道路と本地の間に用水路が流れており、車で出入りできるのは橋が架かった４メートル程の入り口だけ」「築浅の家屋が建っている土地は特に扱いが困難で活用しにくい」といった理由で、なかなか購入を検討してくださるお客様が現れませんでした。

なんとかお客様を付ける為に我々は地場業者様への協力を依頼したり、お客様のプライベートをお守りできる範囲でビラ配りや訪問をしたりして、購入検討者を探しました。

そういった活動をしていてもなかなかこの物件のニーズに合うお客様は現れず、興味を示してくれるものの購入を断念されるお客様のリストばかりが増えていきました。

このような活動をし続けてもうすぐ１年が経過しようかという頃、債権者より、「来月までに購入者が現れなければ競売に着手する」との連絡が入りました。

お客様へその旨を連絡したところ、「これだけやってくれたから、ダメなら仕方がないよ。」と半ば諦めの様子でしたが、我々は諦めずに活動を続けました。

あと２週間で購入者を見つけなければならないという時期に入ったころ、担当者が県内の買取業者へ電話を掛けたところ、「知り合いの業者からは聞いていて、熱心に販売活動しているみたいだね。何かの御縁だし、物件の情報を頂戴よ。」という話を頂き、そこからはトントン拍子に話が進み、債権者から応諾を頂ける価格での買取に応じて頂けることとなりました。買取業者様からは「まあ普段ならこんな金額を出して買えないけど、折角頑張ってたみたいだし、ウチも少しでも力になれればね。」とのお言葉を頂きました。

「一念天に通ず」とはまさにこの事だと実感致しました。なんとかお客様の力になりたいと願いながらしゃかりきになって活動したこの１年があったからこそ頂けた言葉ですし、最後の最後まであきらめずに営業活動をしたからこそ頂けたご縁でした。

お客様も購入者が現れたと聞いた時には、３メートルくらい飛び跳ねて喜んでいました。「もう無理だと思ってたんだ」との言葉からは喜びが滲み出ていました。

この結果、お客様は競売よりも長くご自宅に住み続けることができ、引越し費用もかなりの余裕を持って引っ越すことができ、現在では住み易いサイズになった新居にて気持ちの良い生活を送られています。

常々このサイトには掲載しておりますが、我々は「お客様が新生活を気持ちよくスタートできるためのお手伝い」を「全力」で行っています。現在住宅ローンでお悩みの方がいらっしゃいましたら、本件のお客様の様にすっきりした気持ちで新生活をスタートしてみませんか？お問い合わせをお待ちしております。