今回の依頼主は、大手企業に勤める社会的にも地位のあるサラリーマンの方でした。

後に収益物件を購入することとなる不動産業者から、人生で初めての不動産として自宅を購入したそうです。その際の担当者が、不動産という専門的な取引で右も左もわからずに困っていた所有者様に、親身になって話を進めてくれたという経緯もあって、その担当者を信用しきってしまったそうです。自宅の購入後、その担当者から進められるがままに収益物件を購入してしまい、購入してからすぐに、実質毎月の手出しが発生していることに気づいたため、売却を決意したという事です。

売却を決意されてから直ぐに我々にご相談をして下さったとのことですが、当時の計算では、将来のリスクを参考に計算したところ、本物件だけでも1000万超の損失が発生することが判明しました。この方は２物件を購入していた為、35年間所有する事を勘案すると、合計で2000万超の損失が出る可能性がある事が判明したのです。

すぐに物件を売買したとしても、新築で購入した際のローンを完済できるほどの値段で売れるわけはありません。所有者様はこの時点で、合計2000万弱の残債が残ってしまう現実も突き付けられました。

まさに、安易に購入してしまったがために売っても所有し続けても大きな損失が出てしまう状況となってしまったのです。

また、ご自宅を所有していることから、収益物件を売却しただけでは法的な債務整理を行う事が難しく、結局自宅まで売却をしたうえで自己破産をするという判断に至りました。

なんとかこの状況を救うために、なるべく高値で販売してお客様をお助けしたいという気持ちとは裏腹に、本物件の債権者はかなり厳しく、思うように所有者様に喜んで頂ける進捗の報告が出来ませんでした。

収益物件の中には、新築時であれば金融機関からローンを借りることが出来るのにもかかわらず、中古になると融資すら受けられなくなってしまう物件が多く存在します。

今回もそのタイプの物件であり、買い手を見つけることは困難を極めました。

所在地のエリアとしても人気のあるエリアではなく、厳しい状況が続きましたが、幸い、徒歩距離があるとはいえ最寄りの駅はある程度の規模がありました。

我々はここに目を付け、当該駅周辺でのビラ配りやアンケート調査など、精力的な活動を続けました。その結果、何名かのお客様が購入を検討して下さりました。しかし、債権者はかなり厳しく、到底買いの入らないような金額での販売を強いられました。何名のお客様から断られたかも数えられないくらいとなりましたが、それでも諦めずに根気強く交渉を重ねた結果、何とか妥当な金額まで応諾価格が下がり、売却までこぎつけることが出来ました。

今回のお客様の様に、不動産業者の甘い言葉に乗せられて収益不動産を購入してしまったという方は最近多いのではないかっと思います。ローンの残高よりも低い金額で売却することに対して、債権者から応諾を貰うという事は本当に手間のかかる事であり、一般的な不動産業者では扱ってくれません。

是非我々にご相談頂き、不安のない日々を取り戻すお手伝いをさせて頂けたらと思います。