名古屋市にお住いのY様は、弊社HPをご覧いただき問い合わせいただきました。
現在は離婚されておひとりで住んでおり、室内犬を飼われています。
離婚される前に一度地元業者に販売をお願いしたことがあり、その際に少しでも高く売却してできるだけ残債を残したくないという希望を出したそうです。しかしながら、3~4組ほど内見がありましたが、いずれも希望価格までは届かず、かなりの値引き相談をされたそうです。結局、売却しきれず離婚してしまい、必要性を欠いてしまったため売れる価格での処分を決断したとのことです。それでも、少なからず愛着がある自宅であるためできる限り高く売却したいという希望は変わりませんでした。
早速債権者に連絡を取り、市場相場等の説明を行いましたが、抵当権抹消の条件として完済を求めてきました。しかし、さらにY様の生活状況や室内犬の飼育状況を説明し、男性の一人暮らしにありがちな建物の保守状況に問題があることを訴えました。ようやく、保証会社からの代位弁済の方向で検討していただくことになり、保証会社の担当と打ち合わせを行うことができました。改めて、媒介契約書、物件の価格査定書を求められ、今までの販売経緯を説明しました。任意売却として販売が始まり随時販売経過報告を行い確認していきました。
しばらくは、何組かの内見希望の問い合わせがありましたが、いずれも購入検討までは至りませんでした。営業担当になぜ具体的な検討に至らないのかをヒアリングしたところ、玄関先からペット臭がひどく、糞尿の処理もされていない状況であるため購入意欲が減退してしまうとのことでした。Y様は競売になってしまうのではないかと心配しておりましたが、競売にならないためにも室内を清掃していただきたいことをお願いし、債権者には状況を説明し一般エンドユーザーへの売却は困難であることを伝えました。状況を理解していただき、買取業者のリノベーションによる再販が有効な取引手段であることを認識していただき、エンドユーザー対象の販売方法から、買取業者へのアプローチに切り替えました。
予てより声をかけていた買取業者に改めて連絡を取り、最大限高く買っていただける上限の金額を固めていただき、債権者との打ち合わせを重ねながら契約の調整を行っていきました。しかし、今一歩のところで債権者の応諾が得られず、買い手に更なる買上げの交渉をせざるを得ませんでした。買取で検討いただいている業者の言い分としては、ペットの飼育状況により通常では考えられないペット臭が、床や壁に染みついており、表層のクリーニングでは対応しきれないため全面張り替える必要があり、予算が厳しいとの回答でした。再度債権者に相談し、本来であれば控除していただける引越費用を弊社の仲介手数料から一部足りない分を捻出することで条件をまとめることができました。
Y様にはその旨を伝え、予算に限りがあることをご理解いただき、転居先を探していただくこととなりました。一般的にペットの飼育可能な賃貸物件は敷金や礼金が倍以上かかるため、予算内で探すことが非常に難しくなります。その条件でタイミングよくY様の職場近くに物件を見つけることができ、滞りなく転居することができました。
Y様は、自身が生活しているうちはペット臭に気付きませんでしたが、いざ転居することとなり改めて自覚できたそうです。そのうえで、よく売却できたと心より安堵し感謝しておりました。競売にならず取引が完了できたことが、Y様にとって良い取引になったと思います。