弊社ホームページをご覧いただき、お問合せくださいました。ご相談の内容としては住宅ローンの支払いが難しくなるため、どうしたらよいのか分からないという内容でした。より詳しいお話を聞く為にご自宅にお伺いしましたが、家の中は雑然としており、掃除をされている様子もなく、築年数の割りに痛みが激しいという印象でした。奥様とはずいぶん前から離婚するために別居しており、高校生の息子と二人で生活しておりました。男所帯で片付け等はあまり気にしないといった風でした。
ローンの支払いが厳しくなったのは、元は奥様の収入を当てにしていたため別居により半減してしまったことが大きな原因でした。
その為、特に継続して住み続けることに固執しておらず、そこそこの家賃で住めるところに引越しが出来ればよいという希望でした。
早速、販売すべく近隣の市場動向を調べたところ、中古住宅としては1,000万円半ばが上限であり、住宅ローンの実残債の2,000万円を超える価格での成約は困難を極めました。
取引を成立させる為には、銀行が保証会社からの代弁を受け相談先を銀行から保証会社に移す必要がありました。所有者は以前にリスケジュールを行ったため、3回の滞納で保証会社の代弁を受けることとなりました。相談先が保証会社に移ったところで、早速、販売状況と成約事例を踏まえて抵当権抹消に必要な返済価格の相談をしました。
実際に3ヶ月ほど販売をしてきましたが、一般の方からの問合せはなく、仲介販社からの物件確認も1週間に1回あるかないかという状況でした。
保証会社の担当には、駅から離れたバス便で周囲に商業施設がなく、買い物や生活には苦労があること、建物の老朽が著しく評価は低く査定額が落ちるなど詳細を伝え、嫌がられながらも何度も価格の相談を持ちかけ、やっとの思いで応諾金額を限りなく1,000万円に近い金額まで落とすことが出来ました。
元より、建物の老朽が著しい為、一般エンドユーザーでは購入希望者を募るのは難しいのではないかと可能性を示唆しておりましたので、同時進行で業者の買取の方向でも探索しておくよう準備しておりました。
買取で検討の業者が内覧を希望していましたが、所有者の仕事の都合と業者のスケジュールが合わず話しを進めるのに時間がかかってしまいました。それでも、債権者の応諾が取れる金額で購入申込が入り契約及び決済の段取りを整えることが出来ました。
それからは、移り住む賃貸住宅の探索、引越業者の手配、残置物処理の準備と慌しく時間が流れました。
結果的に、息子様の学校に近いところで新居を決めることができ、親子2人で住むには十分に広い賃貸住宅に引っ越すことが出来ました。
当初心配していました賃貸の初期費用、引越代、残置物の処分費用を捻出することが出来、且つ、弁護士の相談費用の一部もお残しすることができました。
後日、お客様から電話があり、弁護士に相談に行ったところ身内が保証人になっていないか確認されたとのことで、「残った住宅ローンの請求が身内にいくのではないか、実は親が連帯保証人になっていたのではないか」と心配して相談してきました。
仮に、住宅ローンの借り入れ当初、誰かしらが連帯保証人、若しくは連帯債務者になっている場合、何の告知もなく残金決済をする事はできず、本人に意思確認しの署名押印を求めることがほとんどです。債権者からその話はなく、登記簿にも連帯債務の記載がないことから問題はないのではと説明しました。それでも心配であれば、保証会社に確認してみても良いとアドバイスをすると、ようやく安心していただけたようです。
お客様には、自己破産とは再スタートする為の法的に認められた行為であり、裁判所が認めることである為、決して後ろ向きの手続きではないことをお伝えしました。
これからのご自身の伸びしろを感じていただければ、きっと頑張っ