任意売却最新情報

横浜磯子区I様「昨今増えている管理費滞納の催告による任意売却」

横浜市磯子区にお住いのI様は、弊社ホームページをみて相談されました。相談内容は管理費を滞納し、弁護士を通じて管理組合が支払いの催告をしてきたためどうしたら良いのかという内容でした。3年ほど前から仕事の業績が悪くなり、生活費を優先するあまり管理費等にしわ寄せが行ってしまったそうです。ほかにもカードローンやキャッシングでその場をしのぎ無担保債権も雪だるま式に増えていきました。いよいよ住宅ローンの支払いも厳しくなり何か手立てはないかと相談に至ったということです。実際に面談し、状況を確認させていただいた時の印象としては、感情を表に出しにくい方で抑揚がないため、会話をしていてもご理解いただけているのか、または共感されているのか反対なのか等コミュニケーションに時間のかかるタイプ、どこか他人事のように話をする方という感じを受けました。

しかし、困っていることは事実のため、早々に管理組合の委任先である弁護士事務所に連絡を取り、状況の確認と今後の対応をうかがいました。任意売却に踏み切ったことを受けしばらくは任意売却に期待するとのことで、競売に移行することは留まり、販売状況等の連絡を取り合うこととなりました。競売の申立てをされる一歩手前で任意売却に切り替えることができました。また、住宅ローンの抵当権者にも連絡を取り、今後の支払いが厳しくなる可能性があることを伝え、未払いが続くことを認識していただきました。

ご本人としてはオーナーチェンジが希望でした。趣味で集めたコレクションが数多くあり、本、雑誌、DVDなども山のように積み重ねられていたため、すべての荷物を搬入できる賃貸があるかどうかわからないため引越しはしたくないというのが理由でした。住宅ローン程度の家賃で住み続けたいということでしたので、相応の安価での売買が求められました。

とにもかくにも、まずは抵当権の残債を確認し、滞納管理費を合わせて総額がいくら返済しなければならないのかを確認しなければ全体の組み立てができませんでしたので、関係各所に連絡を取り総額を確認いたしました。

前述したとおり、室内は足の踏み場もない状態でしたので、一般客に紹介して内見していただいたとしても購入検討には至らないことは必至でした。そのため買取業者による買取に重きを置き、まずは市場調査として業者に見積もりを出していただくことにし内見手配をしました。数社に内見していただいたところ、堆積物がある分直接床を傷つけることが少ないこと、反面、水回りは手入れがなされていないので腐食等の心配があるなど一般の見方とは違う見解がありました。そのうちの1社が残債額の全額を返済できる程度の価格を提示していただきました。

早速所有者と打合せを行い、今後のことについて助言いたしました。一般のお客様で高く買っていただける方を探していくことは時間の浪費につながることを説明し、業者買取で残債が残らない内容の取引を行い、引越し費用まで工面してもらえれば、自己資金を持ち出す必要はなく新しい生活が始められることを丁寧に説明しました。I様もそれであればとご理解をいただき取引の話を進めることとなりました。

売買契約締結後、引越し先を探すべく賃貸物件を紹介し現地内見のお誘いをしましたが、ご自身の趣味の時間を大切にされる方で、なかなか物件を見に行く時間を取っていただけませんでした。そうこうしているうちに時間が過ぎ2週間が経ってしまいました。このままでは引き渡しの時期までに引越を完了させられなくなるため、半ば強引に時間を作っていただき、賃貸物件の案内に連れ出すこととなりました。ほぼ条件に合う物件が見つかり一安心と思っていました。ところが、2週間前から引越し業者に段ボールの手配をしてもらい、余裕をもって荷造りができるよう段取りをしていました。ところが、いざ引越しの当日、業者が荷物の搬出に伺うとほとんど荷造りが終わっていませんでした。当方も手伝いに伺いましたが目を疑いました。当初は断捨離して必要なものを選定すると言っておりましたが、結局、多くのコレクションを持っていきたいと言い出したのです。引越し業者は単身の引っ越し荷物分の2tトラックで来ており、その全部は載せられないとのことで残りはご自身で運んでいただく外ありませんでした。仕方なく翌日も手伝うこととなり朝から新居への荷物の搬送を繰り返しました。次から次へと捨てられないものが出てきてその質量は3人家族分くらいにはなりました。その日は残置物処分で産廃業者が夕方には来る予定になっておりましたが、予定が繰り上がりお昼前に到着してしまいました。I様が仕分けして箱詰めしている物は本や雑誌がほとんどで、当方がその段ボール等を手作業で何往復も乗用車で搬送している状況を産廃業者が見かねて、本来は業務外で行わない荷物の搬送を手伝っていただき、本業以上の仕事をこなしていただきました。そんな協力もあり何とか残置処分まで終わらせ、購入者の空室確認まで完了させることができました。

引越と残置物の処分さえ終わらせられれば、あとは準備をしていた残金決済を滞りなく行うだけですので、問題なく取引を完了させることができました。

I様は捨てられないものの仕分けをしただけで引越しを完了させることができ、新しい環境で心機一転新生活を始めることができました。

振り返れば、十人十色で様々なご事情を抱えており、そのほとんどはご自身の身の振りを案じて心労を重ねられています。そのため、どうしたら良いかわからず心配になり相談してくるケースが多いのですが、中にはご自身のことという認識がない方もいらっしゃいます。しかしながら、ご相談に来られた以上放っておくことはできず、生活の再建に貢献できるようお手伝いさせていただくことが手前どもの仕事なのだと、今回改めさせられた一例となりました。