今回、任意売却のご依頼を受けたのは、和歌山県にお住いのI様。
I様は、平成8年に和歌山県に新築を建て、ご家族と一緒に順風満帆に居住しておりましたが、ある出来事によってご自宅を売却しなければならない事態となりました。
I様は自宅近くの工場で働いており、昼も夜もない状態でした。
滞納のきっかけは約3年半前に亡き奥さんのガンが発覚し医療費が嵩んだ事が原因の様で、2年前に元奥さんは亡くなり、ご相談を頂いた時は75才の父親と二人暮らしでした。
30才の長男と28才の長女はすでに5年以上前に家を出て結婚し家庭を持っていました。
今回の競売の件はお子様二人には話していないそうですが、家を売るかもしれない事は伝え、ご相談を伺いました。
実は、亡き奥さんが残した借金(楽天50万・オリコ40万)はI様がそれぞれ月5千・1万ずつ分納して返済中で、税金の未納は一切ありませんでした。これらの他借入は奨学金の265万程でこちらも現在月1万ずつ返済している状態でした。
ただ、工場以外に収入がなく、生活費や返済が毎月重くのしかかり、家のローン返済を数か月怠ってしまったのが、今回ご自宅の売却に至った経緯です。
滞納が続き、金融機関から督促の連絡があり、コロナウイルスの影響で収入が厳しい事情を説明したのですが、金融機関もなかなか事情を受け入れてくれず、口論になってしまうこともあり、最終的には、滞納の継続による一括返済を求められ、競売開始の決定にまで進んでしまいました。
先ずは、I様にお話を詳しく伺い、金融機関と連絡をとり、現段階では一括返済は出来ない事を伝えました。
競売の申立てが行われている中で、買主を見つける任意売却で進める旨も同時に伝えました。
弊社は、すぐに売却活動を開始して、現在のご自宅の売却相場では完済が厳しいことと競売の入札まで6カ月と、時間があまりないことやご自宅の立地が厳しく、苦戦を強いられました。
しかし、周辺の不動産会社だけでなく、不動産の購入希望者リストへの積極的な物件営業でどうにか競売入札の前日、債権者の条件を満足できる買主を見つけることができ、無事にご自宅を売却することができました。
今回の事例から思うことは、どんな事情でも住宅ローンの返済ができなくなったら、まずは早めに金融機関に連絡をして事情を説明すること、そして自分だけの判断はしないことだと思います。
今回ご自宅の売却に至ったのは亡き奥様が残したローンの影響による経済的理由で、自身では防ぎようもありまでした。
しかし、日ごろから貯金など蓄え、万が一の時に備える事でご自宅の売却も防げたかもしれません。
もし、何かの事情で住宅ローンの支払いができない方やできなくなりそうな方、銀行への相談の仕方を詳しく知りたい方は、ぜひ弊社までご相談いただければと思います。