任意売却最新情報

東京足立区S様「自身に都合の良い選択は大概良くない選択をしていることが多い」

足立区にお住いのS様は、ご自身で設備関係の仕事をしておりましたが、コロナ禍に於いて業績不振となり支払い困難に陥りました。弊社の訪問担当が裁判所の配当要求終期等の広告をもとに、S様宅に出向き直接状況をお伺いいたしました。物件はご自身でハウスメーカーにて注文建築したため、とても愛着がりオーナーチェンジして住み続けたいというのがご希望でした。

早速債権者と連絡を取り、任意売却に伴い返済の応諾価格を相談しましたが、担当曰く、社内査定はかなり評価が高く全額の返済でなければ抹消には応じられないとのことでした。

S様は、住宅ローンの未払いによる競売の前に、前職での金銭トラブルが原因で強制競売の申立てをされていました。しかし、抵当権が優先するため裁判所の無剰余による取り消しになっており入札には至っておりませんが、その差押解除のため判子代をお支払いしなければなりませんでした。改めて代理人弁護士と連絡を取り、状況を説明し、こちらからお支払い可能額の提示と申立人の見解を確認していただくよう依頼しました。ご回答いただいた判子代は思いのほか高額で、税金の未払い、住宅ローンの返済額と合わせるとかなり高額の返済額となってしまいました。

オーナーチェンジを希望しているS様に、支払い可能な家賃を確認しましたが、利回りが低く計算上厳しい状況となりました。弊社関連会社に相談しオーナーになるべく条件の整理をしましたが、やはり利回りが低く、収益物件として保有するには厳しいという判断に至りました。そのことをS様に話、オーナーチェンジを諦め、引越費用を捻出する方向に目線を変えるよう助言したところ、来春にはお子様が就職し、家賃として家に入れていただけるためご希望の賃料が払えるようになると提案してきました。そこまでオーナーチェンジを希望するのであればと、今一度弊社関連会社に相談し、1年間は抑えた賃料で、1年後にオーナーの希望する賃料にベースアップすることを条件に取引に応じていただけることになりました。早速配分案を作り、各債権者に連絡し返済額の応諾を取り付け、遅延損害金のことを考慮し早急に売買契約と残金決済を行うことにし、S様のオーナーチェンジの希望が叶うこととなりました。

ところが、3ヵ月を過ぎたころから家賃の振込が滞るようになり、保証会社の代位弁済を受けるようになりました。オーナーとしては今後の支払いを含め非常に心配になり、S様の様子を見てきてほしいと連絡を受け、S様と面談打ち合わせを行うことになりました。状況としては、仕事がまだ安定せず各方面の支払いができず、収支の改善はできていなかったようです。このままでは来年のお子様の就職を待つまで住み続けることができなくなる可能性があり、無理なく払える家賃の額を改めて確認しつつ、もう少し家賃を抑えたところに移り住むことの選択肢を助言しました。その為の契約金や引越費用をオーナーに支援していただくよう同時に掛け合いS様が路頭に迷わないよう各所調整を行い、準備を進めました。

ご家族でご相談していただいた結果、老後を考えると身の丈に合った生活をした方が良いということになり、引越を決断していただきました。物件探しから引っ越しまでお手伝いさせていただき、無事に新居へ移り住むことができました。空家になってしまった物件も、運よく買手が決まり引渡しを完了することができました。最終的には、S様の勇気ある決断によりすべてが良い方向に話が進むようになりましたので、今後も冷静に良い選択を行い、生活の改善を図っていただきたいと思います。