任意売却最新情報

横須賀市I様「妥協する勇気も時には大事」

本物件は、海沿いの住宅地で最寄駅からは徒歩10分ほどの「7LDK2S」という非常に部屋数が多い築22年経つ3階建戸建だったのですが、確かに大家族や二世帯住宅にも十分対応出来る物件でした。しかしながら、その分需要も限られてしまい、特に販売期間が現在のコロナ緊急事態宣言と重なってしまい非常に販売にも苦戦してしまったのですが、結果から先に申しますと、最終的にはどうにか買主を獲得し任意売却が成立しました。ただ、今回のケースは通常の任意売却のパターンとは異なり特異な経緯をたどり、弊社だけでなく債権者の方も依頼者に振り回される形となってしまいましたので、ここに少々詳細を記させて頂きます。

実は弊社に販売の依頼を頂いてから成約するまでに1年以上の時間を要してしまったのですが、まず本物件の精査・調査を行い査定をした上で債権者より売出価格を指示されました。ただその売出価格は立地的にも物件の築年数的にも本物件の実査定が反映されたものだったのですが、今回の所有者は2年前に本物件を購入したばかりで、購入金額がかなり割高だったこともあり、債権者がせっかく提示して頂いた売価では住宅ローンの残債が大幅に残ってしまう為に、所有者がその価格に納得せず、弊社も何度も詳細な資料を添えて説得は試みたのですが意志は固く、相場よりも大幅に高い金額での販売活動を余儀なくされました。

確かにラッキーパンチで高く売却が出来れば、所有者様も債権者も弊社もすべてウィンウィンの形にはなるのですが、一方それはかなりのリスクも伴うことになり、日々遅延損害金が一日当たり約1万円ずつ加算されてしまい、競売になれば余計な申立費用も重なり、最終的に任意売却が叶わず競売で落とされた際には大幅な残債どころか、引越費用も捻出出来ず、裁判所の強制立ち退き命令に至ってしまうという大変な賭けではありました。

案の定、所有者の売出希望価格では問合せも乏しく内見にも中々至らず、ついに債権者が設けてくれた任売期間半年間も過ぎて、抵当権の実行つまり競売の申立をされてしまいました。そこでようやく所有者も尻に火が付いたのか焦りはじめ、相場に近い販売金額に徐々に軟化していかれたのですが、時すでに遅くタイミングも非常に悪かったのですがコロナの緊急事態宣言に重なってしまいました。もちろんそんな事で弊社は諦める訳は無く、連日総動員で販売営業をかける事により無事に買主を獲得し競売を取り下げる事に成功しました。

このように、確かに少しでも高く売りたい、残債を減らしたいという所有者のお気持ちは十分理解出来るのですが、今回のように相場に見合っていない金額でいくら長期間販売していてもせっかくの絶好の販売機会を損ねてしまった事になりかねません。最終的には依頼人様ももっと早めに弊社のご提案に真剣に耳を傾ければ良かったとおっしゃってはいましたが、日々の遅延損害金は年利14%以上という通常の住宅ローン金利とは桁が違いますので、時間との勝負と言っても過言ではありません。もちろん債権者との交渉にもある程度の期間を要しますが、限られた時間が残り少なくなればなるほど交渉も不利になっていき、販売活動だけでなく所有者様の精神状態も追い詰められてしまう形となってしまいます。

どうか住宅ローンでお困りになっている貴方の一刻も早いご決断、そして問合せを心よりお待ち申し上げております。