依頼主から問い合わせがあり、後日ご自宅にお伺いする事になりました。

お話によるとお体に障害ができ仕事を転職して住宅ローンの支払いが困難となって、もうすぐローンの滞納が６カ月を迎える頃でした。

ご希望としては可能な限り残債を返済したいとの事、債権者が代位弁済の手続きを行っている段階となり、売出価格の指示を得られないため、依頼主のご希望に沿って、まずは完済できる価格で販売を行いますが、完済できる価格での売り出しは相場より高いため、内覧の問い合わせはありませんでした。

更に今回の物件の土地部分が道路に接しておらず、年払いで隣地の方が応じる金額を支払いすることによって通行の許可を得ている状況でしたので、まずは隣地の方に通行する部分の土地を売却もしくは物件の購入をご検討頂けないかお話をしましたが、どちらも応じて頂けず、今まで通り支払ってくれとの事でした。

債権者の代弁手続きが完了したので、債権者の担当者に連絡をして、まずはご挨拶と今回の物件の状況を説明したところ、任意売却は難しいのではとの回答で競売を視野に入れており、そこを少しでも任意売却の販売活動を行わせてほしい旨を伝え、とりあえず競売は保留となり、引き続き販売活動をさせてもらえることになりました。

その後の販売状況としては問い合わせがなく、内覧に繋がらないので何度も債権者には状況を報告し、価格を下げてもらい依頼人にも状況を説明し、とにかく競売だけは避けたいとの事、もちろん仲介の立場なので競売前に任意売却で進める事が大前提です。

そしてようやく一組の内覧希望があり、後日ご案内をして大変気に入っていただけたのか２時間も室内や外観をみられて、その日に買付を頂く事が出来ました。

債権者にご報告したところ、競売の申し立て準備を検討していたとの事でしたので危ないところでしたが、契約をした後、荷物の運搬等お手伝いをし、無事に決済を終えました。