物件は築34年目のマンションの1階部分で専用庭も無く、最寄駅からはバス10分程でしたがバス停からも徒歩9分ほどかかるという立地条件で、とにかく宅内はペットを飼っていたこともあり室内全般にわたり汚損、損傷等が甚だしく、内壁・ドアなどにも穴が多くあいていて建具も多く腐食していてタバコの汚損や給湯器不具合など、水回りを中心に徹底的なフルリフォームが必要な物件でした。
所有者である50代男性はご家族と共に4人暮らしで生活していましたが、残念ながら家庭内離婚の状態で、今回も半ば自暴自棄な所有者であるご主人のかわりに奥様が窓口となり弊社が任意売却の依頼を頂くきっかけとなりました。
しかも今回の経緯としてはなんと15年前に半年ほどの住宅ローン滞納がきっかけでその時点で期限の利益が喪失されていて年14.6%の損害金が毎年加算されながらローンをお支払していたので毎月10万円程お支払していても損害金に追いつかず逆に債務は増えていくという現象で、今年初めからの滞納によりついに競売申立を受けてしまいました。
さらに弊社が依頼を受けた時には、競売の入札前1ヶ月を切っていて一般のお客様をそれから探し住宅ローンの手続きに入るにはあまりに時間がタイトで、宅内の劣悪な状態からもマンション買取業者での買取しか選択肢が残されていませんでした。
弊社は真っ先に住宅ローンの抵当権者2社と交渉を行い、宅内の状況を写真にて提出し競売になった際の過去の本物件の落札事例を示しながら交渉した結果、当初債権者が要求していた金額から大幅に見直して頂く事に成功し、販売活動の方も買取業者で、しかも月末という時期に5社の内見をバッティングさせ価格を競い合わせた結果、見事に債権者に見合う金額での購入業者を獲得し開札日二日前というギリギリのタイミングで競売を取り下げ任意売却が成立しました。
その間、半ば自暴自棄となっていた所有者と共に税金交渉や債権者面談、弁護士相談にも同行し、さらに勤務先に近い引越先の探索なども何度もお手伝いさせて頂いた結果、当初は全く言葉を交わしたり顔を合わせるのも嫌がっていたお二人でしたが、同じ一つの目標に向かって御協力頂いたり、かなり関係性も修復されたように感じました。
今は残った無担保債権の法的整理に向けて弊社顧問の弁護士と話を進めています。