任意売却最新情報

麻生区A様のケース「任意売却中に夫が死去、その後の前向きな対応が家族を救った」

物件は築19年目でしたが、最寄駅から徒歩1分という好立地のマンション3階部分の3LDK角部屋部分で、周辺はコンビニやファミレス・スーパーなども充実していて、比較的販売活動は容易に進むことが見込まれる物件でした。

所有者様は50代の男性で、購入当時はお勤めも研究員として全く問題なく住宅ローンの支払も続けられていましたが、お仕事柄過度なストレス状態に陥り、数年前から躁うつ病と診断され入退院を繰り返し、ついに退職を余儀なくされた頃に弊社にご相談の連絡が入りました。

所有者様のご要望としては、すでに娘さんお二人は結婚し、奥様との二人暮らしであった為に、ご自身のお病気もあるので任意売却により引越費用を捻出したうえで娘さんのお近くの賃貸物件にお引越しをしたうえでのんびり療養生活をしたいというお話しでした。

ご相談頂いた時点では延滞3ヶ月という状態でしたので、まずは住宅ローンの期限の利益を喪失し債権がサービサーに移るまでの約3カ月の期間は、販売活動と並行して債権者交渉の準備期間として、所有者様には定期的な販売報告と今後の流れをご説明しご不安を払しょくするよう努めていました。

ただ、精神的なお病気であった為に、一時的に将来への悲観やご家族間での多少の言動の行き違いがあったのか、奥様曰く、時に不安定な状態を繰り返されていたとの事でしたが、非常に残念な事に奥様がお留守の際に同マンション最上階の階段踊り場より投身されお亡くなりになられたとのご連絡を後日頂くことになってしまいました。

葬儀にも参列させて頂きましたが、残された奥様には亡きご主人の遺志を継いで頂きどうにか競売ではなく任意売却のメリットを享受頂くべく、葬儀後十分なお時間を経たうえで奥様に前向きに進んで頂くためのご助言をさせて頂きました。

まずは第二抵当権者の方の団信保険が適用されたのでその抹消手続き、さらに遺産分割協議や相続登記のお手伝いもさせて頂き、色々な経緯はありましたが、結果的には亡きご主人の後々判明した債務を全額返済したうえでも余りある金額で買主様に御購入頂き任意売却を成立させる事が出来ました。もちろん本物件の専有部分でお亡くなりになられた訳でなないのですが同マンションの敷地内での出来事ですので心理的瑕疵という点で販売活動には非常に苦戦したことは言うまでもありません。

初めは気持ち的に沈んでいた奥様も半ば半信半疑で弊社のご助言通りに進めていましたが、成約時にはご主人の債務も全て清算されたうえで、買主様にも精神的に励まされ今後の心の支えとなる関係性に発展し真の笑顔を取り戻す事が出来、涙ながらに感謝のお言葉を頂戴する事が出来た際には私も目頭が熱くなりました。