今回の依頼主は、ご自宅を購入して7年経ったタイミングでコロナウイルスの煽りを受け、住宅ローンの返済が困難になったお客様からのご依頼でした。
購入してから時間も経っていない為、残債はかなり残っておりました。所有者様にご依頼を頂いてから一緒に残元金を確認した際には、「思ったより減っていない」とショックを受けておられました。
ローン借り入れ時にほとんどのお客様が選択される「元利均等返済」という返済方式は、借り入れ当初は毎月の返済額の中で利息の比率が高いのです。つまり、総返済期間の序盤は、毎月毎月返済をしてもなかなか元金が減っていかない期間となるのです。このような仕組みにより、借り入れてから10年程で任意売却をされるお客様の殆どは、物件の価値よりもかなり大きな残債が残っているものですが、今回のお客様も同様でした。
ただ、このお客様が所有している物件は、原則再建築不可という難アリ物件でした。それに加えて、三重県の自然の豊富なエリアにある為、不動産の流通が盛んとは言えませんでした。その環境下で3ヵ月以内に販売することを債権者から強いられたのです。
「競売よりもいい条件で売却し、十分な引越費用を受け取り、なるべくいい形で人生の再スタートを切りたい。」というお客様の意向と、「貸した以上、一日でも早く一円でも高い金額を回収したい。(一般市場で売れないのであれば競売での回収も辞さない)」という債権者側の相反する意向の狭間でお客様の為に全力を尽くすのが我々の役割です。このような販売が厳しい状況でも諦めません。
弊社は大阪にオフィスを構えておりますが、三重まで毎週通いました。
周辺のお宅や地場の不動産業者、コンビニやスーパーでのビラ配り等を行い、「1人でも多くの方にこの不動産が売買されていることを伝える」という事を目標に活動していきました。
ただ、先にお伝えしたような物件の為、なかなか買手は現れません。販売活動を行い始めてから2か月が経とうとした頃、債権者より、「あと1か月で決まらなければ競売に着手します。」との連絡がありました。
それを聞いた瞬間ご相談頂いた際のお客様の顔が思い浮かび、「絶対に救うんだ!」という想いの下再度奮い立ちました。
これまで繋がりのあった不動産業者へ再度連携をとったり、ネットでの広告の謳い文句をイチから考え直したりしました。
その結果、任売期間があと2週間となったタイミングで、「購入したい」という買主様を発見することが出来ました。
このお客様も三重にお住まいでしたので、住宅ローンのサポートをするのも大変だったのですが、本物件は原則再建築不可ということでなかなか審査が厳しい物件ではありましたが、役所への確認や建主様への確認等最大限の努力をし、無事にローンを通すことが出来、契約・決済と進めることが出来ました。
今回は「残債が物件価格よりも過大」「売却し辛い物件」「任売期間が短い」「地方」という状況で任意売却を成就させることが出来た事例です。
ここには記載できなかった細かなエピソードも御座います。もし現在、住宅ローンの返済にお困りの方がこれをお読みであれば、是非ご相談下さい。