今回のご依頼主は福島市にお住いのS様。お仕事の転職になったことを機に収入が下がってしまいローンの支払いが困難になっておりご相談を頂きました。購入当時は奥さんとお子さん2人の4人家族で生活しておりましたが、ご相談を頂いた時は既にお子さんも成人しており、奥さんとは離婚されておりました。そして既にS様はご所有の物件からは仕事の関係でお引越しをしており物件に元奥様が猫1匹と一緒に生活をしておりました。S様は居住中の元奥様には事情を説明しており、退去のご準備をお願いしていました。S様は既に住んでいない物件を出来るだけ高い金額で売却を目指しローン残債を圧縮したいというご希望でご依頼を頂くことになりました。
物件は新幹線の停車駅となっている福島駅より徒歩30分にある築20年程経過しているファミリータイプマンションの4階にある一室。管理状態は良好で外壁の塗り替えしているなどしっかりと修繕を行っている物件という印象でした。懸念事項としては近くに大きな河川があり昔大雨の際に氾濫しマンションのお部屋には影響がなかったのですが、機械式駐車場の地下部分が水没した過去があるため、地下駐車場を封鎖してしまい駐車場が不足状態にあるということです。地方で車は必須であり駐車場がないという事は非常に不便極まり販売に支障がでてしまう程です。
適正価格で販売を行うため債権者へ交渉にあたります。今回の債権者は最初に物件の評価を査定し売出価格を提示する債権者です。必要な手続きを行い売出価格の指示を受けますが、弊社で想定していた金額且つ相場価格より高い金額の売出指示でした。先ほど記載した懸念事項があるためとても指示された金額で売却できる可能性はありません。任意売却とは競売を回避し最大値の売却を目指す又は目指せる販売です。債権者の意向を優先し市場性を無視しては売れるものも売れず、本末転倒の結果となってしまいます。債権者の同意を得なければいけない都合上、指示に従い販売をしていましたがいい話がくるわけもなく、債権者に対し販売価格の見直しを提示。これまでの販売状況や市場性、物件評価の資料を添付し価格の適正化に向けた引き下げ交渉を行いました。その結果、徐々にではありましたが段階的に価格の見直しをしていただき、ついに適正価格での販売が実現することとなります。そこからはお客様からの反響も増え始め、懸念していた駐車場の件で大分苦労しましたがどうにか購入をご希望されるお客様を見つけることができました。
販売期間としてはご依頼を頂いてから1年程期間を要しましたが、競売にならず任意売却によってS様の債務も圧縮することができ本当に良かったといえる案件となりました。S様も債務は残ってしまいましたが毎月の返済計画を立て直し数年後には完済できるという事で非常に感謝して頂きました。