今回のご依頼主は茨城にお住まいのA様。A様は母親と共有名義・連帯債務で不動産を購入してA様のご両親とお兄様の4人で生活されていました。ローンの返済は主にA様のご両親返済していたそうです。そんな生活が数年続いた頃にA様ご自身の結婚が決まりお引越しをする事になります。その頃、ご両親の収入がなくなってしまい、実際はA様とお兄様のお二人でローンの返済をしていたそうですが、A様がご結婚されるという事で物件に住んでいるお兄様がローンの返済をすることになったそうです。
しかし、その後も残っていたお兄様が家を出ていったり、共有名義・連帯債務だった母親が不幸にも亡くなってしまうなど様々な事が起きてしまいます。結局、当初家族全員で住んでいた物件には父親一人となってしまいました。それでもお兄様がローンの返済を引き受けるということになっていましたのでA様はお兄様に任せていましたが、突然お兄様がローンの支払いができないと一方的に言われ、A様が返済をしなければいけなくなりました。しかし、既に2人の子供をもうけて家族を養っているA様は自分の家族を養う事で精いっぱいで、とても住宅ローンの返済をすることはできませんでした。物件に住んでいた父親とも相談して、家を売却して家賃が安い所に引越そうという話になり、弊社のHPからご相談をして頂き、A様は出来るだけ高く売却をして引越し費用を捻出したいというご希望のもと弊社へご依頼をして頂きました。
A様の借入は物件の価値以上に融資を受ける、通称オーバーローンと言われる借入状況でした。経過年数と共に不動産の価値は下がりますが、そもそも借入時点で不動産を適正な相場価格で売却したとしても完済にならない状況でした。そこで債務金額を下回ってしまうが適正金額で売却させて頂けるよう債権者と交渉をする必要がありました。しかし、債権者としては1円でも多く回収をしたい訳ですからそれを納得させる為に何度も交渉を重ねる事となります。
A様の物件は築22年経過している5LDKの中古戸建、室内は築相応の経年変化で外壁は一年程前に塗直していましたので物件は築の割にはいい印象でした。しかし、場所がとにかく悪く周りは田んぼに囲まれているような場所にポツンと建っているような物件でしたので、販売は苦戦する事が予想されます。そういった市場性や建物の室内状況を細かく報告書に纏め査定書と共に提出、定期的な販売状況の報告を積み重ねる事により交渉を始めてから3ヶ月程経過した頃には相場に近い価格での売却を認めてもらう事ができました。その頃には並行して行っていた営業活動のかいもあり購入希望者も見つける事ができておりましたので、すぐさま契約を締結させて頂きました。
決済をするにあたって、共有名義人で連帯債務者であるお母様が亡くなられていましたのでA様に相続の状況を確認するとA様以外のご家族全員相続放棄は終わっておりましたが登記ができておりませんでしたので、お仕事で忙しいA様に代わって書類を集めて登記のお手伝いもさせて頂きました。
物件にお住まいだったお父様の賃貸物件探しも弊社でご紹介をしてお引越しをして頂き、決済をする上で必要な準備を滞りなく済ませ、無事決済を迎える事ができました。
今回の売買で適正価格での売却とお引越し費用も捻出する事ができましたが、オーバーローンの借入でしたので残債が多く残ってしまいましたが、A様は法的に債務を整理して再出発をすると前を向いていらっしゃいました。