任意売却最新情報

石川県M様「認知症のご家族からのご依頼」

今回のM様からのご依頼はご家族の方からの問い合わせがきっかけでした。物件の所有者であり債務者であるM様は数年前に脳梗塞になり、その後遺症からか認知症を患ってしまっていました。仕事を辞めることになり収入はなくなり住宅ローンやその他の債務の返済が止まってしまったそうです。M様は認知症の為、ご家族の方が後見人となり弊社へとご相談がありました。M様本人は入院生活で既に物件には誰も住んでいないという事と住宅ローンの返済をご家族の方で支払う余力はなく、連帯保証人となっている方がM様の勤めていた会社の同僚であり義理の息子の上司だった為、何がなんでも迷惑をかけられないという事で物件を売却して住宅ローンの完済をご希望されました。幸いにも住宅ローンの残債は弊社にご相談頂くお客様に比べて少額でしたので完済を目指して販売活動を進めていくことになりました。

物件は七尾市の市街から離れた山の途中にあり、土地が150坪、建物71坪と全体的に大規模ですが建物は昭和築で相当築年数が経過している物件でした。一見売却の見込みはありそうな印象を受けましたが実際に販売してみるとかなりの苦戦を強いられる事となります。販売を開始してから1ヶ月経過したころ物件の問い合わせは1件もなく、さらに値下げをして販売をしてもほとんど反響がありません。確かに販売を始めた価格はM様ご家族のご希望も加味された割高な価格でしたが全くと言って良いほど反響がないという事はまずありません。いかに需要がないかと物語るようで販売に苦戦する主な要因としては「市街から離れた山の途中」に物件があるという立地の問題でした。土地は150坪ありますが地方の土地は価値がないも同然で建物の築も相当古く立地も悪いとなると、いくら1組でも購入希望者がいれば売買が成立するとはいえ需要が限定される物件は必然的に販売が長期化します。買取業者にも紹介しましたが転売できるビジョンが見えないという事で買取して頂ける業者は見つかりませんでした。すでに住宅ローンの滞納が始まっていますので長期化すれば競売になってしまい、住宅ローンの完済をする事が出来ず保証人へ迷惑がかかってしまいます。M様ご家族にも保証人の方から「状況はどうなっているのか、本当に大丈夫なのか。」と連絡があるなどM様ご家族は相当焦っておられました。弊社としては売れ辛い物件だからと言って諦める事はありません。協力地場仲介業者の販売チラシ配布やオープンハウス開催、近隣の業者への営業等、できる限りを尽くしました。それでも反響を得る事が難しい状況が続きましたが、依頼を受けて4ヶ月程経過した頃にようやく1組の内見希望客を見つける事ができました。物件周辺の事をよく知っている方で問い合わせの時から前向きに検討して頂いていたお客様で、実際にご案内した後すぐに購入申込みを頂くことができ、住宅ローンを完済できる金額で売買契約を締結する事ができました。債権者からはそろそろ競売申立手続きを開始すると言われていたギリギリのタイミングでした。その後は物件を引き渡すにあたって家財道具の処分の問題もありましたが弊社の方で業者の手配等お手伝いさせて頂き問題なく決済の準備を進め、無事売買決済を終える事ができました。

 

M様ご家族からは販売状況が中々思うようには行かず今後の事や保証人への対応等で連日連絡が絶えませんでした。お話をし辛いという事でM様ご家族に代わって保証人へご連絡した事もありました。担当である私自身も時間が限られている中で購入して頂けるお客様を見つけられるか不安に思う事もありましたが精一杯販売活動を行いM様のご希望に添える形で解決できて本当によかったです。