任意売却最新情報

石川県S様「売り辛い遠方地にも直接出向き販売活動」

物件は石川県内の某市郊外にある最寄駅からは徒歩30分程に位置する築25年たつ二階建て戸建で、周辺には商業施設なども遠く住宅もまばらな地域にあり、さらに致命的な事に建物の施工がずさんだったのか傾斜や雨漏りなどの瑕疵が多くみられ、建物としては価値のない物件でした。

弊社へのご相談は所有者であるご主人の息子さんからだったのですが、お父様が二年ほど前に勤務中に脳梗塞で倒れ、半身不随の状態でリハビリを伴う長い入院期間を経て、どうにか退院してからも仕事には付けず在宅療養が余儀なくされました。住宅ローンの方はどうにか息子さんの給与と奥様のパートでどうにか返済していたのですが、奥様も過労がたたり重い病にかかってしまい、ついに住宅ローンが滞納し始めた頃に弊社が任意売却を担当する事となりました。

債権者とは上記マイナスポイントを強調し粘り強く交渉したのですが、とにかく需要に乏しいエリアで、さらに上記のような建物の状態だったために、解体を前提とした売地としての販売を余儀なくされたのですが、売地として販売してもとにかく反響が全くありませんでした。もちろんその様な状況の際の鉄則としては、地続きになる隣宅への購入打診なのですが、石川県という遠方にかかわらず隣宅に出向き、地続きになる利点と可能性を提案した結果、ついにご購入の意欲にはつながったのですがローンが組める方ではなくご用意出来る現金も限られた方でした。

それからは弊社の債権者交渉力の腕の見せ所なのですが、まずはせっかくご購入の意欲を示されている隣宅の方をキープしつつ、半年間の任意売却の最終段階でついに今回隣宅がご用意出来る購入金額まで債権者の応諾価格を導く事が出来ました。実は、そこまで至るにあたってもう一つ大きなハードルがあったのですが、税金の滞納が高額にありその差押を解除するにも役所にも何度か出向き、ご主人の病状を訴えることによってどうにかわずかなハンコ代で解除に応じて頂けました。

引越先も弊社の方で積極的に探索のお手伝いをして、病院や福祉などの環境が整った地域に引っ越す事が出来、残った債務や無担保債務の方も弁護士をご紹介する事により、現在は順調に免責の方向で進んでいます。このように弊社の任意売却事業は、単なる不動産売買の仲介業という位置づけを越えて、依頼主の今後の人生の大きな分岐点となりますので、これからも一人でも多くの方を救済していく大事な使命としてとらえ私は業務を遂行しています。