突然の職場の解雇によりローンを支払えなくなり生活も荒れてしまったご主人。
自宅を守るのを諦め他業者さんへ任意売却を依頼されておりましたが共有者である奥様の同意が取れず売却が不調に終わっていました。その後、債権者に競売の申し立てをされ、行き場の無い状態でのご依頼です。
まず、ご主人に依頼されたとしても奥様の持分がありますのでその同意を得る交渉を始めました。
しかし中々同意が取れない理由には奥様が過去にご主人にされたある行為が忘れられず、非協力的になっている事がわかりました。
一度、面会し具体的な過去のお話を聞かせてもらうと奥様は涙ながらつらい過去をお話してくれました。第3者である私もつらくて涙が出るような過去をお持ちだったのです。
ただ、その時は私自身が奥様を説得するというようなことはしないで、つらい過去を2時間ほどひたすら聞かせて頂くと奥様は少しすっきりした表情で今度は私に対してどう行動すればよいのかを逆に聞いてきてくれるようになりました。
奥さまは任意売却を否定していたわけではなくただ物事を進める前に自分の話も聞いて欲しかったのだと思います。
ご主人と別居して約1年、女手一つで6人の子供たちを養いながらひたすら頑張っているのに誰にも話せずにつらかったんだと思います。
その後は奥さんも驚くほど協力的になりその後は特段の問題もなく順調に取引を終えることが出来ました。
今回の取引でこのご夫婦は離れ離れにはなってしまいましたがご主人は
「家族たちにはこれからも手助けをしていきたい」
と今までの過去を反省し荒れた生活からも決別し再就職先で一生懸命仕事に従事されています。