物件は最寄駅より徒歩25分以上かかる築15年目のマンションでしたが、所有者様は40代の男性で弊社にお問い合わせ頂いた時にはすでにご自宅は競売の申し立てを受けていて他社と媒介契約を結んでいました。ただ、その任意売却業者からは税金滞納250万、管理費滞納230万という状況下だったためか、初めに依頼した時以外はほとんど状況報告の連絡も無くさじを投げられている状態で、所有者様も半ば諦めていた中でご説明させて頂きました。
弊社のどのような状況下でも決して諦めない姿勢とフットワークの軽さを評価して頂き、前任業者から弊社に媒介を切り替えて頂いた訳ですが、まず私は真っ先に役所の税金交渉を行いました。通常は税金差押を受けている場合元金のみならず延滞税も含め完済しない限り差押を解除して頂けないのが普通ですが、粘り強く交渉した結果どうにか元金のみで延滞税の約80万を減額する事に成功しました。次に管理組合と交渉し延滞金60万を免除、さらに駐車場滞納金30万のみ分納扱いにして頂き、さらに債権者とは弊社の査定書並びに裁判所の評価書を提示した上で販売報告や上申書などを交えながら交渉を重ねた結果、前任業者が8ヶ月かけて何も進展がなかったにも関わらず、わずか2ヶ月で買主様を獲得し3ヶ月目には任意売却が成立しました。
今回の所有者様のメリットとしては当然ながら高額な税金滞納元金の完済、駐車場代以外の高額な管理費滞納金完済にあった訳ですが、所有者様の驚き以上に債権者担当者からも今回の案件が任意売却としてまとまるとは思いもよらなかったとの有難いお言葉を頂きました。
お恥ずかしいのですが、最後に所有者様より
「御社に最後の望みをつないで本当に幸運でした。とにかく最初の言葉通りの実行力・交渉力には驚きました。私もまだまだ長い道のりですが、再建に向け歩んでいきます。心から感謝しています。」
とのお言葉も頂戴することが出来、これこそが私がこの仕事を続けられる原動力だと実感しました。