物件は駅前商店街の中にある築８年目の４階建共同住宅で、依頼者は設計士としてビル内に事務所を構えご家族もそのビル内に居住中でしたが、リーマンショックあたりから経営が傾き、多額な住宅ローン返済が滞り始め、債権者から競売の申し立てをされた頃に弊社が任意売却のご依頼を頂きました。

ただ媒介のご依頼を頂いた際に、条件として職業柄からか本物件が売却中である事を知られたくないため、通常利用する不動産流通機構のサイトにも登録せず水面下での販売活動を求められました。さらに現在ご家族で利用中の３室もそのまま住み続けたいという要望が強く、そのような希望に沿う買主様を見つける事が条件となりました。

物件としては需要の高い収益物件だったこともあり、弊社の長年培ったネットワークを駆使した結果、水面下での販売活動だったにもかかわらず、一気に何件かの内見申込みが入り、なんと１件目の内見客で様々な条件をクリアした上で任意売却をまとめる事が出来ました。

他に苦労したことといえば、依頼者様がそのまま住み続けるために賃借人として買主と賃貸借契約を結ぶ際に保証会社の審査が通りにくかった点と、今回物件が収益物件だったため、本物件の賃借人からのお家賃も依頼者様の口座が凍結されてしまっていたことにより、弊社が債権者側代理人弁護士と賃借人との間に入り調整させて頂いた点でした。

結果的に、依頼者様のご希望通り水面下での販売活動で周りには知られずに、しかも今まで通りそのまま住む続けられた上に、十分なお引越し代も手にする事ができ、決済終了後には「何から何まで希望通りになりとても感謝しています。本当に御社に頼んで良かったです。最初は半信半疑でしたが、わかりやすい説明と要望通りに進められるように全力を尽くしますという言葉に熱意を感じ、実際にその通りの結果となり今でも信じられない気持ちです。」との涙ながらのお言葉を頂き、私も目頭が熱くなりました。