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北海道T様「亡父親からの相続で思わぬ展開に」

函館市にお住いのT様は、弊社のホームページをご覧いただきオーナーチェンジができないかと相談してきました。ご所有の不動産は隣町にあり、父親から相続したものでしたが、離婚に伴い元奥様とお子様方が引き続き住むことになり、本人は単身で函館に引っ越してきました。

ある日某カード会社から連絡があり、生前父親が購入した車のローンが70万円ほど残っており、相続人であるT様に返済するようにと催促されたそうです。ご本人は当初世に騒がれている振り込め詐欺の類と疑い、しばらくは掛け合わないようしていました。ところが、ほどなくして不動産を差し押さえたとの連絡があり、実際に裁判所に確認したところ本当に所有不動産が競売にかけられていることが確認できました。早々に某カード会社に連絡を取って、急場で全額の返済は難しいが分割で払っていくと返済の意思表示をしました。しかし、時すでに遅しで全額の返済でなければ競売の取下げは行わないと回答され、困り果てた末弊社に相談してきたという経緯です。

早速、事実関係を確認すべく債権者と連絡を取り、差押解除の申し入れをしました。やはり本人が告知されたように競売の取下げを行うには全額の返済が条件だという回答でした。こうしている間も遅延損害金は加算されていきます。

同時に、地元の不動産仲介業者に市場相場のヒアリングを行い、中古住宅のリノベーション販売を行っている買取業者を模索しました。思った以上に市場性は悪く、特に中古住宅はリフォームをして販売しないと一般エンドユーザーは検討に至らないとのことでした。そのような市場の中で、収益目的で購入を検討する業者や資産家の見解としては、元奥様達が退去された後の賃借人の再募集の際、どれだけ内装等の修繕に費用が掛かるかを試算します。おのずと当該物件に興味を示していただける方はごく少数となってしまいます。競売になっている現状を考えると時間をかけてお客様を探す余裕はありません。

T様に現状を伝え、元奥様と話をしていただき引っ越しの選択肢を検討いただくよう助言しました。すると、元奥様も娘様も函館方面に通勤通学しており、これを機に引越しをしても良いとの話に至ったそうです。その為、オーナーチェンジから不動産売却に方向性を変え、予てより声をかけていた仲介販社、買取業者に客付けの協力を依頼しました。万が一の期待をしましたが、一般エンドユーザーの購入希望者はやはり厳しく、結果として購入検討には至りませんでした。買取業者も室内の保守状況を確認しなければ購入できるか否かの回答は出せないとのことでした。その為、元奥様に内見させていただくようT様を通してスケジュールの調整を行い内見の段取りを進めていきました。

ところが、買取業者の内見予定の直前で娘様がコロナウィルスに感染し自宅療養をすることとなり、内見日が延期になりました。

悪いことは重なるもので、差権者から連絡があり、期日を決めてそれまでに残金決済(全額返済)ができない場合、競売の申立てにかかった費用も上乗せして返済しなければ差押解除に応じないと言ってきたのです。そこで、話を進めている買取業者には、内見してご納得いただけた場合はその場でご契約の運びとさせていただき残金決済を早めていただくよう願い出て、状況をご理解いただいたうえで契約をセットすることができました。ところが、立て続けに元奥様もコロナウィルスに感染し、更なる延期を余儀なくされました。これに関しては、やむを得ない事象として見ていただき、債権者には残金決済の日時を延長していただくことができました。買主様には、契約と残金決済を同時にしていただくよう準備を整えていただき、その後は順当に予定通りことを進めることができ無事に契約決済を行うことができました。

契約決済当日は、強い寒気の影響で北・東日本は大雪になり交通手段の飛行機が相次いで欠航となるほどでした。例年よりかなり早い降雪となり、地元住民も困惑するほどとのことでしたので、その前に元奥様達の引越しを終えることができ、また、T様にとっても完済できるかどうかの心配も解消され、一件落着となりました。トラブルはあったにせよ、早期に完結できお客様に負担をかけずにできた取引となりました。