物件は東茨城郡郊外の市街化調整区域に位置する築43年ほどの二階建の物件でしたが、本物件はすでに競売申立を受けていて住宅ローンの滞納ではなく商品購入による借入からの強制競売中という案件でした。よって滞納額も住宅ローンとは異なりさほどの額ではなく遅延損害金や競売申立費用を含め200万台半ばだったのですが、ただ上記物件の価値からいって裁判所の評価自体が200万を切っていて更に債権者が今回は全く完済以外対応して頂けない強気な債権者で任意売却自体がかなり難しい案件でした。
所有者は70代のご主人で、今回の借入れはその奥さんでご主人を連帯保証人に立ててしまった事によりこのような事態に陥ってしまった訳ですが、実はご主人は喉頭がんを患ってしまった事により手術後発声障害をお持ちで、そのご主人にこの借入自体を内密にしていて競売の申立を受けしばらくしてから弊社にお問合せを頂いたのですが、まずは私の役割として奥様とご主人の間に入り今回の経緯を打ち明ける際の仲裁に入る事から始まりました。想定はしていたのですがやはり大変な修羅場の状態を経てどうにかご主人には現実を受け入れて頂きました。
ただ、どうしても上記200万台半ばの金額を捻出する事が出来ず売却を覚悟して頂きましたが、とにかく強く住み続けたいという要望が強く、あとは上記物件の条件でも債権者の求める完済金額で収益物件として購入して頂く買主を獲得しなければなりませんでした。
しかし時間的に競売スケジュールも最終段階に差し迫っていたために、今回は私の業務の範疇を越えてはいたのですが、所有者ご夫婦の娘さんご夫婦との家族会議にも同席して頂きお家賃を折半して頂き、さらに今後娘さんご夫婦でゆくゆく買戻しを検討して頂く方向で、どうにか弊社グループ会社にて買主となり貸主という立場で所有するOC(オーナーチェンジの略)でまとめる事が出来ました。
今回のケースは、どうにかご家族全員がこの危機を打開するために一丸となって頂いた事により成約する事が出来ました。私は確かにそのお手伝いとしてコミュニケーションの仲裁に入り、不動産のプロとしてお客様のご要望を叶えるための選択肢を提供したに過ぎません。どうかご自宅の件でお悩みのお客様、お一人で抱え込まずにお気軽に弊社までお問い合わせ頂きますようご連絡をお待ち申し上げております。