今回はオーナーチェンジの事例をご紹介いたします。
板橋区にある築26年3LDKのマンションにお住まいのT様。ご相談の内容は住宅ローンの滞納はないが、消費者金融等の借入があり返済が苦しい。実際に消費者金融の返済を何度か滞納している状況、あと十数年で定年を迎えることもあり将来が不安。何かいい方法はないかというご相談でした。T様は将来的に引越を考えているが、当分は本物件に住み続けたいという意向があり、いい任売.JPの顧問弁護士にも相談しながら方向性を決めていきました。住み続けるためにはオーナーチェンジという方法がありますが、住宅ローンに代わり賃料の支払いが発生します。その賃料を現在支払っているローンより安くなければオーナーチェンジする意味がありません。賃料を安くするためには売却価格を安くする必要がありますが、T様の住宅ローンには連帯保証人が設定されているため、連帯保証人に迷惑がかかる方法はとれず賃料を安くするためにあえて売却価格を低く設定することができません。
打合せの結果、住宅ローンと消費者金融の借入分を全て返済できる金額で販売し、賃料は現在の返済額より安くなるよう極力交渉していくという方向性でオーナーチェンジの販売を進めていくことになりました。幸いにも、現在マンション市況は高騰しているため可能性はあると見込んでこの方向性で進めていくことになりました。
実際に販売を開始すると最初から問い合わせは多くきました。実際に銀行融資など購入に向けて具体的に動いたお客様もいましたが、ただすぐに購入者は決まりません。反響が多いので魅力的な物件ではありますが、賃料が少し相場より低い設定であったため「賃料を少し上げられないか。」また「売却金額の値引きができいないか。」とよく相談がありました。特別急いているわけではないこともあり、条件にあうお客様を探索するために地道に販売活動をしていきます。その後も複数の購入検討のお客様がいる中で、新たに購入希望者が現れます。条件のすり合わせをすると思いのほかすんなりとT様の希望条件を概ね了承していただき、さらに検討しているお客様が複数いたので販売金額の買上をお願いしたところ、それも了承していただきより一層T様にとっていい条件で契約をまとめることができました。この結果にT様も驚かれ二つ返事で契約を締結しました。
今回の取引をすることによってT様は所有権を手放してしまいましたが、そのかわりに住宅ローンの完済、消費者金融の債務も完済、毎月の負担金(賃料)も安くなりました。さらにオーナーチェンジにかかる費用等も増額して売却できたこともあり、すべて売却価格で賄うことができ、余りある結果にT様はこれで肩の荷がおりたと大変喜んでおられました。
今回のオーナーチェンジの事例のように住宅ローンを完済しさらに賃料も希望した金額設定で取引ができることは稀なことですが、こればかりは実際に活動してみなければわかりません。不動産のことでお悩みの方は是非一度ご相談ください。