Aさんは奥様を亡くされてから都心でお一人住まいを続けられていましたが、コロナ禍でお仕事がなくなり、負債を抱えて、ご自宅マンションが競売となってしまいました。

競売が進めば、Aさんは市場価格より低い競売の落札価格でマンションを明け渡すこととなり、手元資金だけでなく引越費用すらも残るかどうかわからない切迫した状況です。

そこで、ご相談を受けた当社はすぐにAさんの負債の全ての債権者との交渉を開始し、その負債金額を全額完済できる価格でマンションを買い受けられる買主も確保しました。

続けて、マンションご売却後のAさんのお住まいについてもサポートを開始しました。

Aさんは、「ご高齢」「単身者」「無職」である上、年金の受給も受けていらっしゃらない「無収入」状態でしたので、一般的には賃貸物件を借り受けることはとても困難です。マンションの売却代金を見込んで、公営住宅の賃料前払い制度を活用し、郊外で家賃の安い転居先をご用意することも可能でしたが、当社はAさんが生まれ育ち、たくさんのご友人がいらっしゃる地元でAさんの転居先を探すことに全力を注ぎました。

まず最初に、Aさんと区役所と年金事務所へ同行して、マンション売却後の定期収入を確保できるよう年金の受給申請をお手伝いしました。

同時に並行して、地元の協力不動産会社と協働して、敷金の上積みや賃料の前払いでAさんを受け入れてくださる賃貸物件オーナーを探し出し、交渉を繰り返しました。

これは、マンション売却後に少なくない金額での手元資金をAさんにご用意できるように当社が準備していたからこそ、選択できた解決策のひとつです。

ご近所で年金受給額だけでも余裕をもって支払える家賃の賃貸物件へお引越しされたAさんは、債権者からの催促のプレッシャーでマンションに引き籠もられていた状態から、全ての負債を完済された上、生活費数年分以上の手元資金もお持ちになって、以前の饒舌な明るい本来のお人柄へ戻られました。

ご近所の方からも明るくなられたAさんのお話しを聞く機会がありました。

「プロに任せてよかった」とAさんご本人がおっしゃっていたことを伝えて頂き、マイナス要素や苦労が多い事例でしたが、当社一同たいへん喜ばしく感じております。