依頼者は、地元に長くお住いで代々、音楽演奏家を営んでこられた自営業の方。

コロナになり講演会や音楽教室が軒並み中止となってしまい、住宅ローンの支払いが苦しくなり、ご相談いただきました。

ご相談を頂いた時点でまもなく競売を申し立てられる直前という状況で、かつ税金の滞納もあり東京都からも差押が入っている状況でした。

すぐに相談と共に面談に伺い、ご希望・状況について詳しくお聞かせいただきました。

長年住んだ住まいに愛着があり、希望はオーナーチェンジです。とにかく競売は避けたい、でも今後も住み続けたい、というお気持ち強く感じ取れました。

また競売に着手されてしまうと家が取られてしまうというご不安も大きかったので、ご説明致しました。競売が始まってしまうと、もうどうにもならなくなってしまう、と思い、相談を躊躇われる方も多いのですが、競売が始まったとしても、【本当にどうにもならない状態】になるまでには実はまだ猶予があります。

細かい説明は割愛致しますが、競売に対する、よく分からないという漠然とした不安をお持ちだったため、ご安心していただくよう丁寧にご説明致しました。

早速、債権者と交渉を始めました。M様の場合は、住宅ローンを組んでからの経過年数がある程度あり、それなりに残債が減少している状況でした。ただオーナーチェンジ条件を飲んでくれる買主となると、なかなか現れず条件面での交渉を続けました。

お仕事柄、休みが不定期な状況のため、できるだけ内見等、所有者様のご負担を最小限にする配慮をしつつも、当社の独自のネットワークで集客を行いました。

条件に近い買主候補者様が現れましたので、お仕事に差し支えのないタイミングで内見を行いました。

ただオーナーチェンジで売却するだけでなく賃貸になった時にできるだけM様のご負担を軽減すべく買主様とも交渉し、有利な条件になるよう折衝を続けました。

また債権者に対しては、とにかく時間の猶予がなく、競売になることを避けるため、当社のグループ会社にて一時的に融資を行うことと致しました。一刻も早く競売が取り下げになるよう手配し、その後に売買代金にて融資金額を返済して頂きました。

タイトなスケジュールではあったものの、無事最終お取引日を迎えることができ、Ｍ様には、「希望通りここに住み続けることができてダメ元だったが相談してよかった。任意売却して残ったお金で目の手術もでき、ほっとしている」とおっしゃっていただきました。