今回の依頼者は品川区にお住まいのM様。二十年程前に購入したマンションにお住まいのM様ですが、体調を崩して働けなくなってしまい、最近生活保護を受け始めたそうです。
住宅ローンは数百万円残っており返済が滞ってしまっている状況でした。いい任売.JPにてご相談を頂いた時には既に住宅ローンの滞納が重なってしまい競売になっている状況でM様は引越をするお金も体力もなくかかりつけの病院もあるので住み続けたいという事で、依頼を頂くことになりました。
M様の物件は最寄駅から徒歩10分の場所にある築40年のマンション。間取りは1LDKで一人住まいでした。築は古いですが品川区にあるマンションという事で物件の価値は残っており明渡をする通常の売却であれば残りの住宅ローンも完済でき引越にかかる費用も捻出ができる物件でした。しかし、M様のご希望は住み続けることです。M様に売却の場合のメリットをお話しましたが、M様はお金の心配がないとしても引越はしたくないと住み続ける気持ちを強くお持ちでした。住み続けるオーナーチェンジとなると賃料の金額が大きな問題として立ちはだかることになります。M様は生活保護を受けている為、賃料分として支給される金額には上限があります。M様は単身なので約5万円程の賃料設定にしなければなりません。品川区にあるマンションで賃料5万円というのは破格の賃料設定になるため収益性が伴わないません。また東京都内のマンションですから資産として購入するとしても、賃借人となるM様は生活保護受給者の為、地価が上がったり、管理費修繕積立金が増額され賃料の改定を望んでもM様が自主退去しない限り半永久的に改定することができず、ただでさえ低い収益性がさらに悪化してしまうリスクがあり、転売しようとしても条件が悪い為、苦戦することは必須です。さらにオーナーチェンジとして賃貸借契約を結ぶ為、前家賃や保険加入などの初期費用が必要となります。当然M様は初期費用を用意するお金はありませんのでその分も買主様に考慮して頂かなくてはなりません。そうした事もあり品川区のマンションというネームバリューで問い合わせは多く来るもののM様が希望するオーナーチェンジの販売は苦戦しました。競売になっているので時間もなく日々買主を探すため営業を行います。その営業先で1社不動産業者が興味をもって頂き条件面も全て了承の上で、購入して頂けることになりました。競売が迫っているのですぐにM様にご報告し了承を得て、契約を締結。決済も最短で段取りを組み無事競売にならずオーナーチェンジの売買として取引を終えることが出来ました。
M様には元々オーナーチェンジが難しい旨を説明しておりましたのでM様も強く希望しながらも諦めている様子で、オーナーチェンジができることを報告するとかなり驚かれていました。取引を終えM様は、今は体調が悪く仕事ができないが体調がよくなればまた仕事をして生活の再建をしたいと前向きな気持ちになっていました。
今回は条件面から収益性が乏しくいくら東京23区のマンションと言えど非常に苦労した案件ですがM様と会う度に本当の体調が辛そうにしていましたので、ご希望に沿えることができて本当によかった思える事例でした。