物件は最寄駅から徒歩７分の築浅１０年目のマンション高層階１１階部分で、マンションの仕様も良く共用施設も充実していて、本来であれば需要もあり販売活動も比較的スムーズに進むはずでした。しかし、致命的な事に、強烈なペット臭や建具・クロス・フローリング・水回りも含め損傷が激しく、とても築１０年しか経っていない室内とは思えない劣悪な状態でした。

４０代女性の依頼者は購入当時ご家族と共に住んでいて、結婚を機に近隣のご主人の実家に引っ越されていましたが、その後住宅ローンを支払うはずの依頼者のお父様が３年前に体調を崩し退職したことにより、年金だけでは生活するのに精いっぱいで当初は貯金を切り崩しながら住宅ローンをお支払していたものの、ついに貯蓄が底を突き滞納が始まり、さらに競売の申し立てを受けた後に、弊社の訪問スタッフがまだ任意売却という選択が残っていて、競売に比べどれだけのメリットがあるかを細かく説明させて頂いた上で正式にご依頼を頂きました。

競売を申し立てられているので、販売期間に余裕がありません。まずは今まで取引のある買取り業者を数十社へ買取りのご検討頂き、近隣の仲介業者に声を掛け買手紹介の要請をし、債権者には室内状況を報告して相当なリフォームが必要になる事を説明して相応の売出価格のご検討をお願いしました。

個人のお客さまへの内覧はありませんでしたが、買取り業者で数社室内を見たいとお返事がきましたのでご案内をして、購入希望額をご提示いただきましたので、再度債権者に室内状況と今回の買主様をご報告したところ、お話を進めて良いかは後日のお返事になりました。

結果、進めて良いとの事でしたので買主様と依頼者にご報告をしてすぐに賃貸物件の検索を開始してご希望に合った引越先が見つかったので、今度はお引越しの準備です。出来るだけ費用を抑えたいとのご希望でしたので、引越し業者には可能な限りお安くしてもらいましたが、撤去するものに関してはご自身でどうにかすると仰っていましたが、大きな家具などもございましたので、私も幾度とお手伝いをして無事に室内を空室にすることが出来ました。

最後の売買決済に関しても問題なく終え、依頼者は実質費用の持ち出しも無く希望の転居先も確保でき、無事に任意売却を完了させることが出来ました。