本件は昨年の暮れの事でした。依頼主は娘さん2人と共に3人で生活をしていて、長女は保育関係の仕事をしています。次女も今年4月に保育関係に内定が決まっていて、依頼主は早朝から深夜までの配送関係のお仕事をしているとの事でした。今回の依頼の経緯は個人事業の経営の落ち込みから始まったそうです。販売活動をスタートし並行して各債権者交渉をしていくうえで数百万の税金滞納が分かりました。すぐに所有者と税務署担当と話し合いをして、何とか翌年の1月から分納を開始し、買主様が見つかったら一時金の支払いで差押え解除の手続きをしましょう、と話が決まりホッとしました。入札日、開札日も決まってしまいましたが、無事に買主様が見つかり債権者からも応諾を頂き、さてあとは税務署に報告するだけと思い電話をしたところ衝撃が走りました。前回の担当者が退職をしていて新しい担当者になっていました。ここまでは良いのですが、担当者に言われたのは一時金を納付しても差押えの解除には応じないと言ってきました。話が変わっていると強く主張しましたが、あくまでも全額納付しない限り解除に応じないと言いだしました。かなりの時間を費やしましたが、結局その日の内には結果に結び付くことにはなりませんでした。入札日、開札日、お引越し先、決済日も決まっている状況での出来事で、税務署にどうしたら解除に応じて頂けるのか聞いた所、まずは国税局に物件資料を提出して物件を調査し、今回の差押えが物件の評価的に無益の差押えに該当しないのか回答を出してもらうしか方法はないとの回答でした。期間は2~3カ月は掛かるとの事で、その場合入札日どころか開札日も過ぎてしまうことになると、連日懇願しましたが聞き入れてもらえませんでした。諦めかけましたが諦めないのが弊社のモットーで、大きな賭けではありましたが、まずは債権者に一時金を収め、競売を一時的に取下げて頂き、買主様にも何とかお願いをして決済日を延長することが出来ました。その間、所有者と一緒に根気強く毎日、国税局、税務署に対し本物件の資料を添えるなどして、交渉を重ねた結果2~3か月かかる所を、日々の連絡のかいがあって1カ月での回答に成功し、何とか決済に至りました。安心して居られたのも束の間で、お引越しがまた大変な事になっていました。築51年、戸建2階、物で溢れていて犬、ネコ、ウサギとペットを数多く飼っていて、荷物、産廃物、ペットの汚物処理と清掃。想像を絶する光景でしたが業者含め、弊社も総動員でお手伝いをして何とか無事にお引越しも出来ました。途中、所有者も諦めていたようですが「御社が最後まで諦めなかったお陰で、途中綱渡的な経緯がありましたが、依頼して本当に良かった」と有難いお言葉を頂きました。
最後まで絶対にあきらめない強い気持ちで依頼者の希望を叶えることをモットーに今後も努めてまいります。