任意売却最新情報

荒川区A様【居宅兼賃貸物件】【売却プラン】【後見人申立手続き】【生活保護手続き】

物件は築30年目の3階建収益物件で、立地的には駅から徒歩10分以内という恵まれた立地条件の物件でした。所有者は2階部分の4LDK部分に住み、1階と3階は賃借人にお貸ししているという収益物件でしたが、所有者は数年前から重度の腎不全を患い自営されていた仕事も廃業し3階のお家賃収入だけで生計を立てていました。

しかも12年前に住宅ローンの滞納が一定期間続いてしまったため、その時点でローンは期限の利益が喪失し18.5%という遅延損害金が発生し、1階部分の家賃だけは債権者に押さえられてしまっていたため、なんと今になって競売の申し立てをされ私が訪問して媒介を頂いた時には遅延損害金だけで7000万円以上に膨れ上がっていました。

既にお亡くなりになられたお父様からの相続物件だったこともあり、6名いたご兄弟のうち5名には債権者が相続放棄を促したうえで競売を申し立てたのですが、物件にはご兄弟残り一名の精神疾患の共有者が居て、今回の任意売却を成立させるためにはその共有者に対して成年後見人を立てなければなりませんでした。

弊社は真っ先に債権者交渉・販売活動と並行して、すでに相続放棄をされているご兄弟に成年後見人になって頂くお願いをし、煩雑な手続きを経てどうにか後見人の確定審判を頂きました。

債権者も12年前には3000万にも満たなかった債務元金に対し、遅延損害金を膨れ上がらせたうえで競売申立をしたにも関わらず、強気な売出価格を提示してきましたが粘り強く交渉した結果応諾価格も当初よりかなり減額でき、どうにか購入者も見つかり競売開札日の二日前に任意売却が成立しました。

その間、とにかく所有者の病状が思わしくなかったため週に三日の透析日には病院への送り迎え、介護保険や生活保護の申請手続き、高額な差押税金交渉、引越先の探索、共有者の後見人申立手続き、さらに購入者が物件を解体してアパート用地として検討していたため、賃借人二方の立退き交渉など、私がこの業務を始めて以来、最も大変な労力を要した案件でしたが、その分成約した際の達成感も格別なものがありました。