任意売却最新情報

東京都三鷹市U様「任売は家計を見直すいい機会」

三鷹市にお住いのU様は、作家業を営む個人事業者で、本人を含め4人様で生活していました。しかし、業績が芳しくなく徐々に支払いが滞るようになり、住宅ローンの支払いが半年以上未払となってしまい、期限の利益喪失の後、債権者から競売を申し立てられてしまいました。

当社のホームページをご覧になり電話でお問い合わせ頂き相談を受けた営業担当が緊急性が高いと判断、直接お宅に出向き状況、様子をお伺いすることになりました。

話をお伺いしたところ、オーナーチェンジを望んでおり家賃を払って住み続けたいと強く希望していました。理由としては、お子様たちの学区のこともあり引越しはしたくないと言っているからとのことでした。1人性格が内向的な子がおり環境の変化に敏感で、転校となったら周囲と打ち解けられるかが心配ということでした。

いずれにしても、競売になっていましたので、まずは債権者に連絡を取り、任意売却をさせてもらえるようにお願いし、取引の可能額を探りました。しかし、明確な価格の提示はなく、購入希望が入ったら相談してくださいと言う対応でした。そこで、関連会社に事情を話し、市場相場を参考に購入申込をしていただくようお願いし、債権者に購入申込書を送付するに至りました。ところが、債権者の担当曰く、既に競売になっており裁判所の評価額が分かる為、その価格を参考にしますとのことでした。その評価額が希望金額程度の評価であるよう期待をしましたが、結果は思いのほか裁判所の評価は高く、購入希望金額程度とはいきませんでした。債権者も取引に応じることができる価格として、競売の評価書に記載されている積算価格程度であれば検討できるとの回答でした。そのことを関連会社に話し、債権者の希望する価格まで買い上がっていただけるよう歩み寄りを試みました。その結果を再度債権者に伝え、債権者の希望する価格まで頑張ってもらったことをアピールし、何とか承諾いただくことができました。

しかし、新たな問題が浮上しました。当初、U様と支払い可能家賃を設定していましたが、売買の価格が上がってしまったことにより、設定家賃も上げざるを得なくなってしまいました。そのため、家賃を再設定し、U様にその額で支払いを継続できるかを確認しました。U様は大丈夫と言うことでしたのでその言葉を信じ売買契約を取り交わすこととなりました。

契約後、相当期間を経て残金決済の準備を進めてきました。予定日の1週間ほど前に電話で状況を伺い問題ないことを確認しました。ところが、残金決済の当日、売買の決済は無事に終了することはできたものの、オーナーチェンジに伴う賃貸の契約金の準備ができていないことが発覚しました。クライアントからの入金が遅れているとの説明でしたが、土壇場で言われても対処のしようがありません。もう少し待ってくれとの話でしたが、事前の相談もなく当日の告白であったため、買主の信用を失うこととなりました。話し合いの結果、売買取引で発生した、賃貸の契約金の一部に充てるための資金を建物使用料の約4週間分としてあてがい、その間に賃貸の資金を準備するという猶予をいただくことができました。しかし、状況の好転はならず、相当期間をもってしてもやはり資金を工面することはできませんでした。契約金の工面ができないということは、他に移り住むこともできないということですから、本人にしたら八方塞がりで呆然と立ち竦むことしかできない状況でした。契約金を用意するか建物を明け渡すかの選択肢しかなく、どちらもできない状況の中で、驚くことに買主が立退き費用として引越しの実費分を負担してもらえるというのです。U様にとってこれ以上の救いの手はなく、甘んじて恩恵を受けることとなりました。今まで頑張って払おうとしていた家賃を大幅に下げ、無理のない支払の範囲で物件を探すこととなりました。最終的には、駅に近いところの貸家を借りることができ、無事に引越しを終えることができました。

ご自宅に固執し、身の丈以上の家賃を払って住み続けたいと意地を張っていましたが、結果的には、安くて環境の良いところに引っ越すことができました。何よりも、競売を回避するために買取を検討していただき、引越しをするために建物使用の猶予を貰い、引越しの実費分まで負担していただいた関連会社様には感謝しかありません。相当無理なお願いを重ねてきましたが、おかげさまでU様も何とか再スタートの基盤を築くことができ、相当肩の荷を下ろされたことと思います。

また、販売に関しても、早々に地元の大手不動産会社の紹介で、近くにお住いのご夫婦に購入して頂くことができ、滞りなくお引き渡しをすることができました。

所有者の気持ちに立ってみれば、生活の拠点として長く生活をしてきたご自宅を、やはり手放したくはないという気持ちは皆さまお持ちのことと思います。しかし、無理を重ねていくことよりも、立て直してより豊かな生活を取り戻すためにどうしたらよいのかを、俯瞰で見られるように誘導してあげることも仕事の一つなのだと考えさせられる取引でした。