今回のご依頼主は三浦郡葉山町に物件を所有しているK様。十数年前に夢だった戸建を購入し順風満帆な生活を送っていたのですが、色々な事情がかさなりご家族はそれぞれ別々の道を歩むことになったということで、これを機に自宅の売却をしたいと弊社へお問い合わせを頂きました。ご自宅は既に荷物などの片付けが済んでおり空き家の状況で、弊社にご相談頂く前は2年程、大手仲介業者で売却活動をしていたそうですが、K様の希望で住宅ローンを完済出来る金額で販売をしていたため、販売価格が相場価格より若干高く2年もの間、売却が叶わなかったそうです。その間も住宅ローンの支払いと新居の賃料を2重で支払って生活しておりましたが、その余裕も昨今のコロナ流行の影響で収入が減ったためローンと賃料の2重払いが困難になってしまったとのこと。既に6ヵ月分の滞納をしており債権者から一括返済を求められている状況でした。K様の希望は債務を残したくないので完済ができる金額で売却を目指しつつ、最悪残債を最小限に抑えられる任意売却を目指したいという事で正式に依頼を受けることになりました。
K様の状況を確認するべく債権者に連絡を入れるとK様が仰っていたように既に滞納が重なっており一括返済をしなければならない状況になっていました。それに加え競売の申立をするか検討しているところだったので、すぐに債権者に対し弊社で任意売却をしていくので販売期間を設け競売は待ってほしいとお願いをしました。その結果3ヵ月だけ販売期間を設けるがそれ以降は競売の申立をするという事でどうにか競売は待っていただけるという事で、K様のご希望を叶えるためにもこの期間内での販売を目指し活動していくことになります。
販売をするK様の物件は築15年の4LDKの戸建。幹線道路沿いにあり近くに商業施設があるなど好立地物件でしたが販売にあたって問題のある住宅でした。それは駐車場が離れにあり車を利用した場合、駐車場から玄関まで人一人が通れる小道を通らなければならないという事です。家の目の前は幹線道路で交通量が多いため、車を停車や一時停車することは難しく引越やなにか大きな荷物を移動する際に非常に不便であるということです。駐車場が離れにあるという一般的に販売されている戸建とは一風変わった物件は敬遠されやすいため、これまで2年間売れなかった理由が分かったような気がしました。実際に販売活動を始めてからまさにその予想が的中し、葉山という立地から数多くの問合せを頂くのですが、どのお客様も幹線道路沿いで車の交通量が多い事や駐車場が離れにある件をお伝えすると途端に反応が悪くなり内見の段階まで進みません。近隣の仲介業者へも何度もお客様をご紹介いただくよう営業をしておりましたが、どの担当も物件を見ては難しい顔をされ進展のない日々が続きました。それでも営業活動を根気よく続けたところ1組のお客様から内見をしたいと問い合わせがありました。お客様にヒアリングをした所、親類が物件の近くに住んでおり立地は理想通りで家の大きさや販売価格共に希望条件に当て嵌まるので是非内見をしたいという事でした。懸念事項である交通量や駐車場の件をお伝えしましたが、車はあまり利用しないので気にならないとまさに絶好のお客様です。すぐに内見のご案内をしたところ気に入って頂きその場で購入申込を頂くことができました。購入申込価格はK様が当初より強く希望していた住宅ローンが完済できる金額での申込です。すぐにK様にご報告させて頂き契約の段取りをとります。ローンを滞納しているため1日1日遅延損害金が発生しています。契約と決済をとにかく急ぎ進めていきます。お客様のローンも無事に通り契約から2週間で決済をすることができK様の住宅ローンは全て返済しさらに若干の余剰金が残る結果となりました。
販売活動中はK様の希望に沿えるようにと活動していましたが中々厳しい状況で何度か完済を諦め販売価格を下げたほうが良いとご提案させて頂きましたが、K様がどうしても完済を諦めきれないという事で最終的に希望通りの販売ができ本当によかったと思える案件でした。