神奈川県愛甲郡にお住まいのY様は、インターネットで弊社ホームページをご覧いただき相談センターへお問合せいただきました。共働きで何とか生計を組み立ててきましたが、ご主人の仕事が傾き住宅ローン等の支払いが滞るようになったとのことです。
Y様のご家庭は4人家族で、下のお子様がまだ中学生で、コミュニケーションに関する障害を抱えている為、他校への転校はなかなか難しいとのことでした。そのため、今の家に住み続けたいという希望があり、オーナーチェンジのための任意売却が始まりました。
まずは、お家賃としてどのくらいまでお支払いができるのかをご家族で相談していただき、それをもとに利回りを計算し、取引金額と債権者に応諾いただくための価格を決めました。購入客の探索として、収益目的で不動産を探しているお客様を専門に取り扱っている販売会社に声をかけ、検討いただけそうな2~3組のお客様を実際に現地にご案内し、具体的に話が進められるように誘導しました。遅延損害金を考えるとできる限り早期での成約が求められました。
一方、債権者との話し合いがスムースに進まず、当初は、弊社が買い取り業者を紹介した場合、仲介手数料が売主、買主双方から報酬としていただけるのですが、痛み分けということで弊社が貰い受ける手数料を調整してもらえるなら応諾しましょうと条件が出ました。そうしなければ取引が出来ない状況でしたので、お客様のことを考えると承諾せざるを得ませんでした。
元々、収益物件として専門で探している資産家や不動産業者に情報を提供して探索していましたので、購入希望客もかなり知識のある方々がほとんどでした。その中で、地元の収益物件を比較的多く取り扱っている業者から、購入を希望するという一般のお客様が現れました。
実際に物件を見ていただきましたが、所有者は共働きの為、家の掃除や片付けに手が回らず、足の踏み場がない状態でした。部分的に木部が腐食している部分も見受けられ、補修すべき個所も多々見受けられましたが、それでも現地調査や賃貸契約の内容など吟味していただいた結果、快く購入していただき賃借させていただく内容で合意に至り、契約及び決済を取り交わすことができました。
所有者は、賃借人へと立場が変わるため賃貸保証への加入等と、手続上のやらなければいけないことを一つ一つもこなし引き続き住み続けることができました。
住宅ローンを全額返済はできませんでしたので、残った部分を債権者とどうするか話し合い、自己破産の方向で進める方向だと言っていました。しかし、弁護士の相談費用の捻出が難しいとのことで、法テラスに掛け合ってみるとのことでした。
心機一転のお気持ちで、家の必要のないものを一気に処分をしていただき、新たな生活のスタートを切っていただきたいと応援の言葉をかけました。お子様方が巣立たれるまで、あともう少しだけ頑張っていただき、将来設計を組み立ててもらいたいものです。