所有者様は40代の男性で、購入当時は結婚をされており、奥様と子供2人の4人家族で生活をしていました。所有者様はご自身で土建関係の会社を営んでいましたが、経営不振に陥り破綻。住宅ローンとは別に多額の債務を負ってしまいました。諸々の事情が重なり夫婦仲が悪くなり離婚。離婚後所有者様はご自宅を出られ、ご自宅には元奥様とお子様2人で住んでいる状況でした。所有者様は家賃と住宅ローンとその他債務を並行して支払っていましたが、長くは続かず事業で負った債務を滞納してしまい物件を競売にかけられてしまいました。そんな最中、任意売却をして迷惑をかけた元奥様とお子様の引越し費用を捻出したいと弊社へとご相談を頂きご依頼を受けるに至りました。
物件は最寄駅から徒歩12分の立地にあり、築3年の築浅物件で室内の状態も綺麗な物件でした。しかし、土地が借地権の物件で住宅ローンの借り入れが難しく、借地権譲渡の際に名義変更料がかかってしまう事から、販売は苦戦することが予想されました。
実際に販売活動をすると立地と築浅物件の為か問い合わせは数多くありましたが、物件を紹介すると借地権という事から購入申し込みには至らず、結果として懸念していた通り苦戦を強いられてしまいました。そのような状況の中でも諦めずに数十社へと販社活動を行いました。借地権というハンデがあるなかで、住宅ローンと滞納税金を完済でき、且つ引っ越し費用を捻出できる価格で購入して頂ける買主様を見つけることができました。これで任意売却が成立すると安心したのも束の間、新たな問題が浮上しました。
それは借地権譲渡の件で地主様にお話しをしに行った所、「競売」というイメージから借地権譲渡を断られてしまったことです。勿論、それで諦めることはなく何度も地主様のご自宅に足を運び、今回競売になった経緯を丁寧に説明、所有者様のご意向もお伝えし説得を重ねました。最後には、地主様も納得して頂き借地権譲渡の承諾を取り付け、無事に任意売却を成立させ、住宅ローンと滞納税金の完済が出来ただけでなく、当初希望していた十分な引越し費用をお残しすることができました。
居住者である元奥様とお子様2人のお引越し先も弊社が仲介でお手伝いすることにより初期費用をなるべく抑え、ご希望の条件にあった物件にお引越しすることができました。所有者様は任意売却の後、事業の失敗で負ってしまった債務を弊社が紹介した弁護士を通し整理することができ、今は肩の荷が下りたのか表情も明るくなり心機一転、新しい生活を送っています。