80歳を過ぎて一人暮らしをしているS様。高齢ながら自分で身の回りの事をこなし生活されており、住宅ローンなどの支払いも年金でやりくりしていました。
しかし、年金だけで支払いきれずに滞納してしまいいつしか競売にされ開札の期日がせまっていました。
そんな中、S様とは出会いました。
詳しくお話を聞くといろいろ不動産業者が訪問してきており、状況をあまりよくわかっていないS様に対して通り一辺倒に「自宅を売るしかない」と煽ったり、ひどい不動産業者に至っては詳しい説明もせず媒介契約を結ばせる業者までいたとの事です。
このままではS様にとってまずい方向になると危機感を感じました。
「ご相談できる親族は近くにいませんか?」と尋ねると、近くに息子さんがいらっしゃる事がわかり早速、息子さんに面会を取り付けました。
お話を伺うと生活が厳しいことは聞いていましたが、まさか競売になっているとは思っておらず、大変びっくりされた様子でした。
まず、当社としてS様および息子さんに冷静になって頂くために現在の状況・今後の流れ・今後のリスクの説明をしました。
競売はかなり進行しており開札まであと3週間と迫ってきており時間が無い中ではありましたがS様親子に今後のご希望を伺うと、息子さんは
「親父をこのままここまま住み続けさせてあげたい。」
と強い希望を仰っておりました。
弊社としては時間があまりないので一旦弊社の関連会社が一旦買い取って競売を止めてその後に息子さんへの買戻しをしていただく形で了承して頂きご依頼に至りました。
債権者とのやり取りを始め残債務などを確認しながら並行して息子さんの買戻しをするためにローンの申し込みを済ませ審査の結果を待ちました。
しかし、ローンの結果が否決の回答が出てしまったのです。実は息子さんは過去にカードローンにかなりの遅れがあったそうです。
その状況に息子さんはかなり落胆された様子でもう売却しかないのかとあきらめていましたが後数年間で信用情報が回復すると見込んで、とりあえず息子さんがローン借りられるようになるまで弊社の関連会社で所有してしばらく家賃を支払っていただく方向で調整しました。
S様はそれを聞いて安心した様子で「それでお願いします。」と快く了承していただき決済は無事終了いたしました。
それから2年半後の現在、当該不動産は無事に息子さん名義となり、息子さんとお父さんとで賃借借契約を結んでいただき、今までのローン支払額より少ない家賃でS様は住み続けておられます。