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千葉野田市N様「希望がが叶わなくても前向きな気持ちで終えることが出来ました」

今回は千葉県に在住、建築関係の仕事をしているN様ご夫婦からのご相談です。昨今のコロナ禍の不況で仕事がなく収入が減少、ローンの返済が滞っているとのご相談でした。N様の現状を詳しくお伺いしたところN様の家族構成は夫婦と子供3人の5人家族、現在子供たちは就職や学生寮に入寮などでご自宅には現在夫婦二人暮らしの状態。ご自宅は3LDKの注文住宅で、フローリングには無垢材を使用しており、2階はいつでも間取り変更ができるような特殊な造りをしている物件です。そうしたご夫婦の希望を詰め込んだ自宅だからこそ、ご夫婦ともにとても愛着をもっており、住み続けたいというお気持ちをもっておりました。しかし、今の設定されているローンの返済が苦しいと言う事で今後も滞納は続いていくとのことでした。このまま滞納が続けば競売になり家を手放さなければいけなくなるという事で、N様は弊社の住み続けられるオーナーチェンジプランをご希望されご依頼を頂きました。

物件の調査から査定を行い債権者の交渉を行います。オーナーチェンジ成約の明暗を分けるのは賃料と販売価格によります。「賃料が高ければ」「販売価格が安ければ」収益性が高まりオーナーとなる投資家にとって魅力的な物件となります。今回のN様の場合、支払いできる賃料に限りがあるため、収益性を上げるために販売価格をできるだけ引き下げる交渉を行う必要があります。この販売価格がいくらまで引き下げることが出来るかがポイントとなるわけですから債権者の交渉に全力を注いで交渉をしていきました。少々時間を要しましたがどうにか販売価格を相場より少し低い金額まで引き下げることができたのですが、それでもN様が支払いできる賃料では収益性が乏しくもう少し賃料を上げて頂かなければいけない状況になりました。それでもさらに販売金額を下げるべくその後も交渉にあたっておりましたが、債権者もこちらの言いなりになるわけではありませんので、最低限の販売金額のラインがあります。ですので、交渉を続けていましたがこれ以上の引き下げは難しく、後はN様に努力して頂くか諦めて頂くかの2択しかありません。N様にはお時間をとって頂き現状のご報告をさせて頂きました。私もどうにかN様のご希望に添えるように必死に交渉を行っておりましたが、どうしても第三者が関係している都合上、すべてこちらの思い通りにはなりません。N様には毎月の賃料を頑張って上げて頂くか、現行の希望賃料で低い可能性を追求するか、他の選択をするか、話し合いをしました。N様は生活ができなくなるので賃料は上げることはできない、しかしオーナーチェンジチェンジは諦めきれないとのこと。幸いにもまだ時間は残されておりましたのでもう少しN様の希望賃料でオーナーチェンジの販売を進めていくことで一旦落ち着きました。そこから必死に取引のあった投資家、収益物件専門に扱う業者など思い当たるところに営業活動を行い実際に訪問し資料を配布したり手を尽くしましたが、やはり賃料が低い事がネックで購入して頂ける方は見つかりません。中にはもう少し賃料が高ければ検討できたと言われたり、終いには自身で住む用として購入したいというお客様が数件いる始末。もうそろそろ時間的に余裕がなくなってきたころに、またN様に現状のご報告と相談を行いました。オーナーチェンジでの販売・営業状況や住む用として購入したい方が何組かいる件をご報告したところ、N様の考えも変化しており、N様は現状自宅には夫婦2人で住んでいる。3人の子供は3人とも寮生活等で今後も自宅に戻って一緒に生活する可能性は低いのではないか、であるならば高い賃料を無理して払って余裕のない生活をおくるより、安くても十分な広さの賃貸物件に引越、心機一転新生活を始めたほうがいいのではないかという考えをもったそうです。このままオーナーチェンジに固執し競売になってしまってはより多くの債務が残ってしまい本末転倒となってしまいます。その後も色々とN様と打ち合わせした結果、問い合わせのあった売却の方にシフトし人生再建の為にできるだけ高い金額で売却を目指していくことになりました。販売価格を設定しなおして売却として販売をスタートするとすぐに問い合わせがあり内見が入ります。1組目で決まるという奇跡は起こりませんでしたが、5~6組程ご案内したところ、購入の申込が入り任意売却ができることになりました。販売金額も相場より少し高い金額での売買となり引越費用を売買代金から捻出し、十分にローンの返済にあてることができました。転居先探しも順調に進み、N様は「自宅に固執せずに引っ越しを想定し賃貸物件も見てみればよかった。」と気に入る物件が見つかり大変喜んでおられました。

オーナーチェンジの為に債権者と交渉を行い、販売活動を精一杯行いましたが思うような結果を出せず、N様はお引越しする形となり悔しさが残ってしまう案件でしたが、N様が前を向き「これから立て直し頑張っていきます。」と言って頂き、決して今回の結果も間違いではなかったんだと思いました。