千葉県八千代市にお住まいのT様は、弊社のホームページをご覧いただき問合せくださいました。元は、民事再生をしており月々3.5万円程度を頑張って返済しておりました。しかし、仕事の業績は好転することはなく住宅ローンの支払いまで回らなくなってしまいました。中学生、小学生のお子様がおり、育ち盛り伸び盛りということもありお金が係るため何とかしなければならないと問合せをしてきました。
ご本人の希望としては、マンションを売却して引越ができればとのことでした。お子様の学校区内での引越し先を探さなければなりませんでしたが、まずは売却を成功させることに専念してもらいました。
住宅支援機構が債権者であった為まずはサービサーに連絡を取り、任意売却で販売を受託した旨担当に伝えました。通常であれば約6ヶ月程販売期間をいただけるところですが、今回の案件に関しては、販売は3ヶ月で、もしその期間にお客がつかなければ競売にするとの回答でした。
早々に販売に注力し、業者買取から一般エンドユーザーの販売で仲介販社への物件紹介と奔走しました。
ところが、こともあろうことか物件の隣の部屋が売却にかかっており、市場に出てきてしまいました。こちらは少し高めでしたが、業者所有で、内装リフォーム済み、空室の為即入居可能という条件であり、明らかに不利な状況でした。これ以上ないというタイミングの悪さです。案の定、地元の仲介販社は必然的に、案内しやすく、引渡が早くでき、仲介手数料も出してもらえる隣の物件に案内は集中しました。
しかも、好条件に見える隣の住戸ですらなかなか購入申込が入らないまま時間は過ぎていきました。
販売開始から3ヶ月が過ぎようとしたとき、隣の住戸に購入申込が入りました。これは転機と早速に債権者に連絡し、競合がなくなったこれからが本当に売れる時期であることを猛アピールしました。その甲斐あってか更に3ヶ月の販売期間を頂くことができました。
見越していた通り、徐々に内覧客の数も増え購入申込も入りました。しかし、機械式駐車場の撤去が総会決議で可決されており、整備されると1世帯1台の駐車場確保が難しくなるとのことでした。購入希望者は1台分の駐車場確保が条件であったため、このことにより話は流れてしまいました。しかも、T様の引越しに関して非常に協力的であったためこれ以上ない条件と喜んでおりましたが、不調の結果にT様も私も大きく肩を落としてしまいました。
とは言っても時間がない状況に変わりはなく、気を取り直し購入客探索を再会しました。
程なく購入希望者を見つけることが出来、引越しに関しての協力をどこまでしていただけるかを販社担当を介して買主と十分に話し合い、各々ご理解いただいた上で無事に契約をすることが出来ました。
T様の引越し先に関しては、T様自身が情報を収集し5人家族が無理なく生活できる貸家を探していただきました。
引越しの際、当初持っていくと言っていたものを廃棄することになり、いくらか予算オーバーしてしまいましたが、ほぼ配分案の中で費用を賄うことができました。
残債に関しては、月々少しずつ返していくことにしたそうですが、法的な対応も考えていると話していただきました。とにかく立て直しに頑張るしかないと前向きな意見を聞くことが出来ました。
5人家族なので、マンションでの生活が手狭になった為、広めの貸家に引っ越しましたという自然な理由付けで、周りの人達には実情を知られることなく引越することができた取引でした。