W様の場合、弊社HPをご覧いただきお問合せくださいました。
売却対象にはお母様がお一人で生活しており、ご本人は車で15分のところに家族とともに賃貸に住んでいます。長年住暮らした家で、高齢と言うこともあり引越をするのは是が非でも避けたいとの希望でした。
本人は、以前収益物件を保有していたことがあり、多少不動産の知識はありました。しかし、結局は損益処理を余儀なくされ、債務整理のため弁護士に相談していました。その中で所有不動産を手放さなければならず、売買で返済し切れなかった分はほかの債務と合わせて圧縮すると言う話を弁護士としておりました。
単純に売却であれば苦労はしませんでしたが、お母様のためのオーナーチェンジをしなければならないとなるとかなりハードルは上がります。
ご高齢のお母様が賃貸を借りる場合の賃貸保証が承認されるかどうか、毎月の賃料はお母様の年金から捻出する為、3万円が上限になりますが、それで購入いただけるオーナー様がいるかどうか。大きな問題です。
いざ販売にかけてみると、まるっきり問合せはなく、オーナーチェンジのために業者に紹介してはみるものの取扱いのないエリアである、又は市街化調整区域であるため取扱いしないと断られてばかりでした。
オーナー探しが難航する中、布石として販売価格から引越し代を捻出して移り住むと言う提案をしましたが、母親の年齢を考えるとそれは難しいということで却下されました。
オーナーチェンジのほかの方法を模索しつつも、債権者との話し合いの中でどこまで価格の相談を受けていただければよいのか、そして、この先賃借していくお母様の賃貸保証が可能なのかを精査しました。
結果、何とか賃貸保証の承認を取り付けることができました。
しかし、いざ買い手を見つけようとしても紹介する先を出し切ってしまった感がありました。頭を切り替え、以前収益物件を紹介し、検討ていただいたお客様を掘り起こし、紹介者から更に紹介していただき、ネットワークを最大限生かしてようやく購入検討者を見つけることができました。
売買価格に関しては、改めて利回りに見合う価格設定を買主に提案しご了承頂いたうえでの契約となりました。
所有者のお母様は、オーナーチェンジをして所有者が変わったとは言え、お家賃を払うこと以外は今までと何一つ変わらない暮らしを続けていただくことができました。所有者も良かったと安心していただきました。