今回の依頼者は当初弁護士に個人再生で依頼されていたのですが、ここ2年ほどでお母様の逝去に奥様のガン告知が重なり、看護の為にご自身もお仕事を辞めざる負えなくなり、ついに住宅ローンまで滞納が始まり弁護士も個人再生断念の判断に至り、弊社にまずはOC(オーナーチェンジ)のご希望で問合せがありました。ただその時にはすでに債権は保証会社が代位弁済し競売申立に着手されていて、何とか競売申立前の任売期間を設けて頂くよう債権者に働きかけたのですが、競売の申立回避には間に合いませんでした。
ご自宅は、最寄駅から徒歩10分ほどの最上階角部屋ルーフバルコニー付きのマンションで、販売は比較的にスムーズにいくと思われたのですが、所有者の販売希望価格が相場よりも高かった為に、中々その金額では内見ご案内等に結び付けることが出来ませんでした。
債権者との交渉自体は今回厳しい部類の債権者だったので、残元金の回収は必須というところまでが限界だったのですが、それでも遅延損害金や競売申立費用だけは損切りに成功しました。所有者にはOCにてそのまま住み続けるための買主(オーナー)を獲得するのであれば少しでも売価を下げて今回債権者が応諾頂いた金額で販売した方が毎月返済するお家賃も低くまとめられる可能性が高い点は伝えていたのですが、所有者から急きょ今後に向けて密かに思い描いていた将来設計があるとの事でお話を伺ったところ、確かに今は預貯金もなく今後は再就職する予定だが、月々の家賃を支払う賃貸物件ではなく、田舎でも良いので戸建や団地などを購入しのんびり暮らしたいとの事。その資金として8ヶ月後に60歳になった際に確定拠出年金で数百万円のまとまった金額を手にすることが出来るために、今回はOCではなく、出来る限り高い金額でご自宅を売却する事により余剰金を捻出し、8ヶ月後までは賃貸で、その後は残代金を支払う事によりその後は所有権を取得出来るような引越先も見つけてほしいとの事でした。
急きょ弊社も引越を前提としたご自宅の売却の方にシフトして、精力的に販売活動したところ債権者の残債は遅延損害金等も含め完済し、さらにお手元には十分な引越費用や今後売却するための手付金や8ヶ月分の賃料を支払っても余りある余剰金をお残し出来る販売価格で買主を獲得する事に成功し、さらに引越先の戸建についても上記のような条件で話がまとまったのですが、契約寸前の段階になって思いがけないトラブルが待ち構えていました。実はご自宅の引渡しや引越日も1週間後に控えていたにも関わらず、引越先の物件が風災により甚大な被害にあい、とても居住できる状態でなくなってしまった為にその引越先を断念せざるを負えませんでした。
そこからは弊社も休み返上で必死に上記のように単なる賃貸ではなく8ヶ月後にはそのまま購入出来るような特殊な賃貸&売買を同時に結べる物件を探索し、結果的にはその思いが実り決済日3日前に引越先が決定しどうにか奇跡的に間に合わせる事が出来ました。
所有者も一旦は落胆されこのまま引越先だけでなくご自宅の任意売却ですら破綻するのではないかと覚悟したそうですが、結果的に当初の引越先よりもはるかに条件の良い物件を最短で見つかり感無量のようでした。このように通常一般の不動産会社であれば引き受けない難しいご注文や、決済日を延長するなど安全策を講じるべき緊急事態でも、弊社は決してあきらめず最後まで不可能を可能にする気持ちで取り組んでおりますので、どうか住宅ローンに付随してご自宅の件でお悩みをお持ちのお客様、お気軽にお問合せの方お待ち申し上げております。