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川崎市川崎区H様『経営不振で自宅競売オーナーチェンジするも4年後世帯主が他界』

川崎市にお住いのH様は、ご主人が事業をしており自宅兼作業場として長年暮らしてこられました。しかし、社長であるご主人様が病気で倒れてしまい、今まで一切経営には携わってこなかった御子息が会社の代表として資金繰りをしていくことになりました。ところが、ご主人が舵取りをしていた時代から経営は行き詰まってきており立て直しを図ってきましたが、各所支払いは滞り、最終的には融資を受けた先から競売の申立てをされてしまいました。

弊社の担当が、H様のお宅を訪問し、状況を確認することとなりました。H様宅は、工務店として長年当地域で商売をしてきた思い入れもあり、ご主人の存命のうちは住み慣れたこの家で過ごさせてあげたいと、強くオーナーチェンジを希望されていました。その建物は昭和40年代の建物で、築年数が古く建替えの時期にありましたので、中古住宅で販売すると同時に、解体して住宅用地としての販売も検討する必要がありました。

販売を始めるも手を上げてくるのは建売業者ばかりでH様の希望である住み続ける事を前提に買い取るお客さんは中々現れませんでした。そのまま売却をすれば債務を完済させる事はできますが、H様の希望であるオーナーチェンジとして住み続けることができなくなってしまいます。一度は、H様にオーナーチェンジの厳しい現状を伝えましたが、御子息も当初のように父親の最後はここで迎えさせてあげたいと強く願っており、我々としてもその思いをかなえさせるべく再度販売を強化していきました。

ご依頼をうけてから2カ月が経とうというころに、ようやくオーナーチェンジで購入していただける希望者が現れました。しかも他の建売業者を大きく超える購入価格をご提示いただき、H様のご希望通りオーナーチェンジを行う事が出来たのです。

常日頃ご主人の看病をしていたH様も大変ほっとされ、お父様のご病気で急遽会社の経営を任された御子息もようやく債務から解放され、本当の意味で仕事に前向きになることができました。

ところが、オーナーチェンジを開始し4年が過ぎようとするころ、毎月決められた家賃が滞るようになりました。オーナー様からその連絡を受けH様宅に伺い様子を確認したところ、数カ月前にご主人が他界し、続けざまに御子息が急逝していたことがわかりました。そのためH様は憔悴し家賃の支払い等も滞り気味になってしまっていました。今までは、ご家族3人で過ごしていたお宅ですが、おひとりになってしまった今は、高いお家賃を払うことができず、広すぎる家に一人で住んでいる状況です。生活状況を考えると、単身で過ごせる高齢者向けの住宅に移り住んだ方が、経済的にも環境的にも良好ではないかとご提案しましたが、思い入れが強いため引越はしたくないと頑なに動こうとはしませんでした。

H様のケアマネージャーも、設備の整った高齢者向け住宅を勧めていただくなど根気強く説得を続けた結果なんとかご納得いただき今より環境の良い施設に移っていただくようになりました。空家になった家を確認すると、雨漏りで2階の1室は水浸しになっており、木部は腐食し、虫が湧いている状態でした。近隣にも臭いや虫などのご迷惑がかかっており、早々に建物を解体し、建売業者に買取っていただくことになり、環境改善に努めました。H様にとっても、近隣の方々にとっても地域貢献できた取引となりました。