任意売却最新情報

千葉船橋市H様「離婚後長年空き家のお宅の任意売却」

渋谷区にお住いのH様は、弊社のHPをご覧いただきお問い合わせいただきました。千葉県にご所有の不動産は、離婚して以来7年ほど空家になっている築17年の木造戸建てです。庭先のガレージを知人に貸しているため定期的に現地を訪れ空気の入れ替えを行っているものの、生活はしていないため相応に傷んできていました。残っている住宅ローンも遅れ遅れで払ってきていましたが、現在の家賃を含め出費がかさみ、次第に返済継続が難しくなってきました。いよいよ半年ほど滞納してしまうようになり相談に至ったという状況です。

H様の希望としては、今後千葉県の所有物件に戻る予定がないため、売却処分してしまいたいとのことでした。昨年の夏に売却目的で地元業者に査定してもらったところ2500万円程度と回答をいただきましたが、物件相場が上がってきているとの情報を信じ、もう少し高く売りたいと売却のタイミングを計っていたそうです。

まずは、近隣相場を調査し全額返済が可能かを調べました。過去の成約から見ると辛うじて完済できそうではありましたが、地元の仲介販社にヒアリングを行ったところ、地域によって格差が生じてきており、本地は市街化調整区域に存しているため、成約事例にある価格の7割~6割になってしまう事は否めないとの助言を得ることができました。そのことを踏まえ、買取業者に買取価格の打診をしたところ、やはり安く厳しい価格の提示となりました。

何とか高く売却すべく一般エンドユーザーをターゲットに、地元の仲介販社に販売促進を行いましたが数件反響をいただくものの、やはり空家になってから長く設備等の手直しやメンテナンス、リフォーム費用に予算がかかるということ、市街化調整区域であることなどの理由から、具体的な相談には進展しませんでした。H様の希望もありしばらく販促を行いましたが、買手が現れないまま時間だけが過ぎていきました。

同時に、債権者に対して任意売却の申し出を行いました。しかし、銀行担当によると代位弁済の手続きを行ったため、保証会社に債権が移るまでは取引に応じられないとの回答でした。仮に全額返済が可能な価格で買いたいというお客様が現れても、銀行では手続きができないという事です。いつ債権が保証会社に移るのかを訪ねると、1カ月くらい先になるとのことでしたのでその間継続して販促を行っていくしか仕方ありませんでした。

時期を待って代位弁済された後、担当者の指示のもと作成してある物件の査定書を提出いたしました。地元業者からのアドバイスによる市街化調整区域での市況の悪さや、7年以上空家であるため建物の保守状況が良好ではないこと、今までの販売状況を考慮した市場性などを査定価格に反映させてあります。弊社からの査定価格で稟議を通していただき、早期売却に努めることとなりました。

その結果をH様にも報告しました。当初の希望は一般エンドユーザーに高く売却したいとのことでしたが、市況の変化や、地元仲介販社の総評で修理修復等に手をかけるところが多く、現況有姿で販売することは非常に厳しいなど現状を説明し理解いただきました。

販売を継続している中で、地元の仲介販社から購入希望客がいると連絡があり、現地を内覧いただくことになりました。現地で待ち合わせしたところ、一般エンドユーザーではなく地元の工務店と設計会社の社長が来られました。話を聞くと合同で中古住宅のリフォーム再販を行っており、仕入物件を探していたところとのことでした。現地で解散し、後日窓口の仲介販社担当から書面にて購入の意思表示をいただきました。

早速売買契約に向けて準備を進めていきましたが、ここでトラブルが発生です。保証会社の担当から連絡があり、H様が本物件を購入する際に奥様が連来保証人になっていたことが発覚しました。そのことはH様当人も忘却しており、離婚して以来連絡先が分からず一切コンタクトが取れない状況でした。保証会社の担当にその旨を話したところ、保証会社側で対応していただけることになり書類関係の手続きを進めていただきました。

これだけでは終わらずさらにトラブルが続きます。不動産登記等に必要な固定資産評価証明書をH様から委任状をいただき、役所に郵送で申請していましたが、台帳に記載されているH様の住所と委任状の住所が違うため証明書は発行できないと連絡がありました。急いでH様に連絡し、現住所の住民票を取得していただき転入転出の記録を確認しました。前住所での委任状を作成し再度申請に行きましたがそれでも住所が合致しないとのことです。再三H様に引越しの経緯を確認しましたが記憶にないとのことでしたので、遡り住民票の除票を申請し引越しの軌跡をたどることで、ようやく経緯が判明しました。

些かトラブルが続きましたが、無事に契約決済を終えることができ、H様には今後の弁護士の相談料として少しまとまったお金をお残しすることができました。

H様からは、債権者との折衝、買主の探索、契約決済の段取り等に関し全て任せっきりで、地元の業者ではこうはいかなかったと思う。任意売却専門の御社にお願いして本当に良かったと感謝のお言葉をいただきました。住宅ローンの支払等、今までの積み重なる心労から解放され仕事に集中できると安堵していました。

今回は、全額完済はできなかったにせよ、弁護士相談費用をお残しすることができ、ほぼH様の希望通りにお手伝いできたと思います。今後もお客様の希望第一に頑張っていきたいと思います。