今回は、大阪市内の土地を購入し、収益物件とする建物を建てようと計画していたところ、建物の建築途中に工務店の倒産により計画が立ち行かなくなり、やむなく売却をしたいところ、残債の兼ね合いでどうして良いか悩まれていたお客様の事例となります。
このお客様は既に自宅は持ち家として所有されていたお客さまでした。自宅のローンも問題なく支払えており、生活費にも余裕がある為、収益物件を建てて資産運用をしようと計画していたとのことです。
流れとしては、先ずは土地を購入してその上に建物を建てるという計画で、一連の説明を受けた上で不動産業者に進められるがままに先ずは土地を購入したそうです。無事に土地の購入資金も建物の建築資金も銀行の融資を受けることが出来、先ずは土地を購入したそうです。土地の購入資金は当然その日に支払っております。
その後、建物の建築を開始する際に着工金を支払い、建物の建築が進み中間金まで支払った時点で、工務店が倒産したという流れだそうです。
この場合、銀行としては既に融資を行っている為、融資した金額の抵当権が土地についているので、融資金額を完済しないと一筋縄では売却には応じてくれません。特にこの件では、「建物が完成していない」ということが一番大きな問題となります。土地として売却するにしても、更地であればその土地値で売却できるのですが、本物件は建築途中の建物が建っている為、売却する際は解体費用を差し引いた金額での売却となってしまいます。本件では、残債が2,000万強あるのに対して、それを大きく下回る金額での売却しか見えておりませんでした。こうなると、債権者も簡単には抵当権の抹消には応じてくれません。残った部分については一般的には無担保での債権となってしまうため、債権者としては回収できる見込みが立たないからです。
今回弊社としては、売買価格の妥当性や残債の返済計画等、弊社の持てるノウハウを全て活用し債権者に抵当権抹消の依頼をしました。当然、お客様としても大きく残債が残る為、返済できるかどうかの不安もお持ちでした。銀行に納得してもらえるようにとはいえ、無理な返済計画ではお客様の生活が担保されません。かといって、余裕のある返済計画を建てても、銀行側としては「そんなに長い期間で返済されても困る」というように両者の意見は食い違います。弊社としましては、両社が納得できるギリギリの落としどころで成立させることが出来、任意売却成立となりました。
今回工務店が倒産したのはコロナウイルスの煽りを受けて、ということでしたが、他にも同じようなお客様がいらっしゃいましたら、まずはご相談ください。弊社がお客様のお力になれると確信を持ってご案内させて頂きます。