任意売却最新情報

 横浜市都筑区R様「債務完済も抵当権者が抹消に応じない!なぜ?」

今回のご相談者は横浜市にお住まいの60代男性のR様。R様との出会いはR様のご自宅が競売の申立がなされ弊社の訪問営業がご自宅に訪問した事がきっかけでした。その当時R様は弁護士に住宅ローンの件は相談しておりましたが、債務を法的に整理する事だけでご自宅の件は何も対策をされておりませんでした。R様とご依頼していた弁護士先生に弊社で出来る事をご説明した所、弁護士先生もR様の為になるならばと快くご了解頂きR様から正式に任意売却のご依頼をいくことになりました。R様は売却をして返済をしたいという事で売却プランとしてご依頼を頂く事になりました。

 

R様の物件を色々と調査をした所、住宅ローンの残債額と物件の相場価格からして、十分完済が見込める金額で売れる事が分かりました。ご依頼を頂いてから2週間程で調査が終わり、それと同時に一番条件の良い買主様も見つける事ができましたので、早速R様にご説明をした所、住宅ローンの完済できて尚且つ余剰がでる売買代金でしたので二つ返事で、了承頂き契約を締結する事になりました。

日々遅延損害金が発生していますので完済が見込める時には一日でも早い決済が望まれます。幸いにも今回の買主は現金のお客様でしたので書類の準備とR様のお引越しが終わればすぐにでも売買決済を行う事ができます。弊社でもR様のお引越しをお手伝いさせて頂き、関係各所への手続きと連絡も済ませ決済に向けて滞りなく準備が進んで行きました。全ての準備も整い後は明日の決済を迎えるだけとなった決済日前日に債権者から住宅ローンを完済するにも関わらず「抵当権の抹消の協力をしない。」と前代未聞の連絡が入りました。抵当権の抹消がなされなければ不動産売買自体成立しません。今回のケースに当てはめるとR様は売買で生まれる代金で住宅ローンの完済を予定しておりましたので、「完済をしても抵当権の抹消がされない→不動産売買ができない→住宅ローンの返済ができない。」と誰も得をしない不動産売買そのものを揺るがす事態に発展してしまいます。何故このような事態になってしまったか紐を解くと実は今回の債権者は金融機関ではなく一般法人の会社でした。R様にご事情を伺うとその会社はR様が前に勤めていた会社で、数年前に父親の介護が必要になり急な支出が増え、ローンの返済に困っていた頃に会社の代表者からの提案で一旦会社が立て替えてくれる事になったそうです。それにより一旦は競売になる危機から救わってもらったそうです。しかし、その後父親が病気で亡くなってしまい、その精神的ショックから仕事も手につかず、それに輪をかけて社内での人間関係も上手くいかなくなり、その会社の代表者からのパワハラも重なり、退職をせざる得なくなってしまいました。代表者には仕事を辞める際に住宅ローンの立替をして頂いていたので「返済が終わらないまま退職して申し訳ない、住宅ローンについては自宅を売却して返済します」と話をしていたそうです。しかし、R様はしっかりと代表者に謝罪して返済についても説明責任を果たしたと思っていたのですが、そこですれ違いが生じて債権者である代表者は怒りを覚えていたそうです。今回の住宅ローン完済については債権者には代理人として弁護士が入っておりましたので弊社は住宅ローンの完済=抵当権の抹消については代理人弁護士と話をしておりました。

結局、当初予定していた決済は延期となりました。問題を解決する為に債権者である代表者と一度R様と一緒のご面談をさせて頂きました。お互い誤解されていた部分もありましたので、これまでの経緯と事情を説明させて頂きご迷惑をお掛けした事は事実ですので、それについて謝罪させて頂きました。その結果、わだかまりも消え抵当権抹消の協力を取り付ける事ができました。決済日は当初の予定日から1ヶ月後に再調整され、R様は延期された1ヶ月の間で体調を崩され入院されてしまうなど最後まで問題はつきませんでしたが無事売買決済を迎える事ができ住宅ローンの返済をすることができました。

 

今回のように債権者が一般的な金融機関以外で、一般法人又は特に個人が債権者の場合、ご依頼主と債権者の間に何かしらのトラブルがあり私情が邪魔をして上手く話し合いが進まないケースはよくあります。今回は一般法人が債権者でしたが代理人として弁護士が間に入っていましたので、まさかこのような事態に発展するとは思ってもおりませんでした。とても貴重な経験となった案件でした。