任意売却最新情報

大和市X様「病気、離婚...と様々な困難を乗り越え」

当初問合せは、所有者の奥様からの相談でした。所有者であるご主人が事件を起し拘置所に拘留されてしまい支払いが困難になってしまってどうして良いのか分からないという内容でした。奥様としては娘と共に直ぐにでも引っ越したいという希望があり、早々に引越し先を探して欲しいと依頼して来ました。

しかし、奥様は職には就いておらず、身体的、精神的に病を抱えており働くことが出来ない状態でした。その為、生活保護を受けなければ今の家を出て賃貸を借りる事はできません。窓口に相談に行きましたが、ご主人とまだ婚姻の関係にあり、ご主人の持ち家に住んでいる以上生活保護を受ける事は難しいと断られました。更には、まだ働ける年齢のため就労の努力をするように指示を受けてしまいました。以前にも仕事は探したことがあるが雇ってもらえないことを話すが聞き入れていただけませんでした。その為、ある一定の期間、ハローワークへ通い就職先を探しながら、再度病院から診断書をとる準備を進めました。

その間、ご主人の口座から生活費を引き出しながら細々と生活をおくり、わずかなご主人の蓄えに頼るほかありませんでした。そのため離婚の手続きは先送りとなります。

そうしながらも、売却活動を継続しなければならず、所有者の売却の意思確認を含め、債権者との交渉の為の打合せなど、115分程度の限られた短い時間の接見で、内容を説明しご理解いただかなければなりませんでした。その厳しい環境の中で、当初ご主人としてはなぜ【いい任売.JP】に依頼するのか、競売と任売と何が違うのかと弊社への信頼は非常に薄いものでした。一番は奥様の引越しをサポートし生活の基盤を作らなければならないということです。競売になってしまったら引越費用の捻出も出来なくなるが、任意売却であれば引越代や残置処分代を作ることができます。そのことも十二分に説明し話しを進めさせていただくことに了承いただきました。

販売に関してもスムースには行きませんでした。物件は最寄り駅から徒歩で10分前後の当初開発現場の1画になりますので、非常に良い環境といえます。ところが、いざ販売を開始してみると引き合いは少なく、内見したお客様に感想を確認すると「思ったよりも狭い」「想像よりも古い感じがする」と印象が悪く具体的な話には発展しませんでした。その中で、最悪の事態を想定し競売にならぬよう業者買取の下準備も進めて行きました。

ご自宅の販売、奥様の生活保護の手続き、引越先の探索・手配、ご本人の引越先の手伝い、残置物の処分準備を同時に進めていく中で、近所にお住まいの一般の方が購入を前提に検討したいと仲介販社を介して申し込みがありました。まずは融資の可否を確認すべき事前相談をしていただき、承認をとっていただくことを促しました。しかし、話を進めるためにはまたひとつハードルを越えなければなりません。引越費用の捻出です。一般の方に引越費用を捻出してもらうことはなかなか難しいので、弊社の仲介手数料から足りない引越費用などを捻出してもらうよう上司に掛け合いました。そうすることで、購入客に負担をかけることなく所有者や奥様の引越しをスムースに行うことが出来ました。

奥様は残金決済を期に離婚届を提出し、はれて生活保護を受けることができ、引越先も決まり娘の学校も変えることなく新たな生活の基盤を作ることができました。

ご本人も、判決が出ましたが、執行猶予がつき通常の生活に戻ることが出来ました。しかし、住み慣れた場所を離れ一人暮らしをすることとなり、新たな就職先と新しい環境で再出発することになりました。残ってしまった住宅ローンも、安定的に継続して返済していくことは困難な為、弊社から弁護士を紹介し法的に手続きを進めることになりました。

元は、ご主人の犯してしまった罪から始まったことではありますが、競売になり更なる不幸に陥る事態は避けられました。むしろ、環境が変わり新たな新天地で各々が上を向いた生活が始まるわけですから、きっと先々は明るくなっていくのでないかと期待してやみません。是非とも頑張っていただきたいものです。