茨城県にお住まいのH様から弊社のHPをご覧くださいましてお問合せを頂きました。
H様は既に離婚しており本物件には住んでいませんでしたが、元奥様のために何とかしてもらえないかという相談でした。
本人はトラックの長距離運転手ですが、不規則な生活から不摂生が祟り、身体を壊してしまい週に3回透析を受けなければならない生活になってしまいました。
その状況でも一時休職にすればよかったのですがもう働けないと思い込み早まって退職してしまいました。
今となっては再就職もできず、日雇いとして長距離運転手を単発で行い何とか生計を維持しているような状態です。当然ローンの支払いもできず、延滞が続き債権者からの催告に怯える生活が続き、そんな中弊社のホームページを目にし、問合せくださいました。
本物件は、元奥様が相続で取得した土地の一部に本人名義で建物を建てました。当然、土地にも担保提供として同時に抵当権が設定されます。このままでは、建物のみではなく土地も競売になってしまいます。
現在建物には、元奥様とお母様、そして小学生の末っ子が住んでいます。元奥様としては、幼少期から住みなれた地域であり、親戚も近くに住んでいる為この場所から離れる事はできませんでした。
まずは、ご希望を再確認し、オーナーチェンジとして家賃設定は幾らになるのか、継続して家賃を払い続けることができるのかなど、先々の展望を確認しました。元奥様も職を探し再就職する予定があり、成人している娘様も何とか援助するということから、何とか安定的に生活ができるように基盤を作ることを約束していただき、オーナーとなっていただける方を探し始めることになりました。
次に、債権者に掛け合い、任意売却としての販売期間確保する交渉をしました。サービサーへの移管後、競売に着手することを待っていただき、およそ半年間販売させていただけるよう話を取り付けました。
いよいよお客様探しの段になりましたが、いざ販売してみると問合せが殆どなく、時間ばかりが無常に流れました。
債権者へも、毎月販売状況報告をし、販売価格を何度か見直していただいたにもかかわらず、販売期限のリミットになってしまいました。
結局、販売期間をフルに使い、応諾価格を可能な限り交渉する事はできましたが、当のお客様が現れません。
足踏みをしている時間はありませんでしたので、兼ねてより相談していました弊社の関連会社に再度話を持ち込み、買取検討を依頼しました。利回りの件や、保証会社加入の件などの厳しい条件はありましたが、ギリギリのところで何とか成約に結びつることができました。
持つべきは、頼りになる関連会社の存在で、依頼者にとっても心強い後ろ楯となっていることも事実です。
本人は、売却価格の一部を債権者に払いましたが、残債が残ってしまう分は先々法的に手続きを進めることになり、元奥様は、家族で協力して生活をしていくことに再出発をすることになりました。
残金決済の際には、「一時は諦めなければいけないかと話しをしたこともあったんです。」と打ち明けてくれました。しかし、別れ際には、離婚したご夫婦を思わせない、知らなければごく普通の仲の良いご夫婦にしか見えないという御姿を見ることができました。
何とか支えあいながら暮らしていただくことを心より応援したいと思います。