任意売却最新情報

狭山市T様:建物建築不可の市街化調整区域内の土地売却

T様は、川越に在住であり自宅の任意売却の依頼から端を発し、休眠している土地があり固定資産税が毎年かかっているが、使っていない為支払いそのものが勿体無いということで販売することになりました。

所在の区域は市街化調整区域で、建物を建築できない土地です。元は父親が、当初市街化編入の噂話を聞き、いずれ高く売れるからと息子夫婦に買わせたというものです。

しかし、将来に向けて市街化にする予定も構想もなく家庭菜園、資材置き場程度の利用方法以外使い道のない土地です。しかも、当初父親が友達と称する第三者にいつの間にか畑として貸しており、特に賃貸借の契約を結ぶではなく、使用料を徴収しているでもなく現在に至り扱いに困っておりました。

本人と、奥様とそれぞれ1宅ずつ計2宅所有していますが、奥様は他界しており相続登記を必要としていました。相続となると遺産分割協議を経て相続登記しなければなりませんが、義理の父母はT様に相続させることを頑なに拒みました。しかし、毎年の固定資産税の支払いはT様がしており当然に相続の権利を有しております。T様はこじれる話を後回しにし、まずはご自身の所有する1宅地を販売することにしました。

とは言うももの、用途が限られた土地の為問合せは殆どなく、長期で望むことになりました。販売開始から半年が過ぎようという時に地元の販社から連絡があり、購入申込が入りました。買主は2宅の購入を希望していましたが、相続登記の事情を説明し、まずは1宅を購入いただき、相続の話がまとまればもう1宅購入すると言う流れで合意いただきました。

実際に畑として使用している方には看板を出し、取引の事実を告知し、引渡時期や農作物の収穫について相談させていただきたいと連絡を求めました。

少々時間はかかりましたが土地の使用人と連絡を取ることができ、引渡の際には敷地をきれいにしていただくことができました。

後に所有者から聞きましたが、以前、何社かに販売を頼んだことがあったが、どの業者も市街化調整区域の為売れませんと断られたそうです。そのことで売却相談をためらい、また断られる、どうせ売れないと思いこみ、なかなか相談できずにいたとのことでした。

また、本件は権利証を紛失しており残金決済当日に公証役場で認証を受けてからの移転登記になりました。権利証がないと売却できないと思っており誰にも相談できないでいたと言うことも売却依頼が遅くなってしまった理由だそうです。

しかし、結果は通常に販売することができ、所有しているというだけで固定資産税の心配や使用人の件が気がかりで落ち着かないといった精神上の問題も解決することができました。まだ、自宅売却が残ってはいるもののひとつ心配事が消えて気持ちが軽くなったと喜んでおりました。

諸先輩方から「売れない不動産はない!」とよく聞かされていました。まさにこのことで、これからも肝に銘じていきたいと思います。