任意売却とはまた違った不動産投資のエピソードをご紹介します。
ご相談者は埼玉県に在住の30代前半の女性(Y様)。いい任売.JPの不動産投資相談窓口よりご相談を受けました。ご相談内容は5年前に購入した投資用マンションの売却についてでした。Y様は当時流行していた不動産投資に興味をもっており、たまたま友人と食事をしている席で知り合った人から不動産投資の話を聞き、営業トークの「節税・賃料収入・不動産資産」という口車にのってしまい、その知人の紹介で投資用マンションを購入したそうです。しかし、購入後月日が経つにつれて営業トークで言われていたことが実際と違っていることがあり不審感をおぼえたとのこと。その後、営業トークで聞いていた話とは違い大した節税にもならず、家賃収入どころか賃借人の入れ替わりが何度からあり修繕費用が発生、更に家賃も引き下げられ収支が赤字に転落、毎月持ち出しが発生してしまい、極めつけに投資マンションの購入金額が相場価格よりはるかに高い金額で購入していたことも判明し、完全に知人に騙されていることに気が付いたそうです。完全に不動産投資は失敗しており、Y様は数カ月前に入籍をされた新婚さんでこの件は旦那様にはお伝えしていないという事から損失が少しでも少ない間に旦那様には知られずに投資マンションを手放したいとのことでした。
今回のY様のように投資マンションの営業トークに騙されて物件を相場価格より高値で購入してしまっている方は非常に多いです。その分、借りているローンの金額も高く通常売却では手離れしたくても売却はできません。この場合に提案できることは次の3つ、①売却の可能性は低いことを承知の上で通常売却を目指す。又はローン残債より下の金額で売却し不足分は自己資金で補填をする。②滞納をして任意売却を目指す。③赤字を覚悟の上で返済・保有し続ける。Y様は滞納をして任意売却も検討していましたが、Y様の所有している投資マンションやローン残債などを踏まえた上で話し合いをした結果、Y様は自己資金があるという事で、まずは①で通常の売却または不足分を補填する形での売却を目指していき売れない場合は、時期をみて②の任意売却に切り替える方針で依頼を頂きました。
ご依頼頂いた当初は理想売却金額を設定して販売を開始しました。投資マンションとしては条件が悪い為、当然反響はありません。その後物件の反響や市況を定期的に確認しながらY様と相談しながら販売を進めていきます。販売から半年ほど経過したころに販売価格を見直し価格を引き下げたところ、法人のお客様から購入希望の問い合わせが入ります。その方は既に本物件マンションの他のお部屋を数件保有している法人様で今の販売価格より多少値引きして頂けるのであれば購入したいとの問合せでした。当然この条件で売却をしようとするとローン残債を下回った売買価格ですのでY様が不足分を補填する必要があります。Y様にこの件をお伝えすると数日悩まれた結果、不足分の資金も用意でき、このまま保有し続け赤字が続くことは回避したいという事で売買をする決断をして売買を行いました。
今回のY様のケースは自己資金をお持ちだったことからこのような解決ができ騙されたようなものでしたが最小限の損失で済んだことは担当した仲介としても心からよかったと思える事例でした。