三重県Y様『買主が直接売主に飛び込み直取引も仲介なしでは成立せず』
今回は任意売却のご相談の後、ご自身で購入希望者と個人間売買を試みたお客様の事例をご紹介いたします。
ご相談頂いたY様は看護師の仕事していましたが、体を壊し働くことができなくなり収入が減ったため今後住宅ローンの支払いができなくなるそこで詳しくお話を伺うとY様は今の自宅は購入したかったわけではなく、当時結婚していた旦那ではローンを組めなかったため代わりにローンを組み購入した物件で、今は旦那と離婚しており一人で暮らしている状態。思い入れはないのでこれを機に売却をして名古屋に住んでいる娘の近くに引越をしたいとのこと。Y様の物件を査定すると完済金額での販売は難しい物件でした。そこをご理解した上でどうしても完済金額で販売をしてほしいという事で販売を進めていくことになりました。
販売を開始してから一ヶ月ほどたちましたが、やはり価格設定が相場より高いためなかなか物件の問い合わせがありません。そんな中1通の電話がなり外国のお客様から問い合わせがありました。その方は同じ地域に住んでいるそうで、今住んでいるところは子供の学校まで遠く、Y様の物件の方が学校に近いので購入を前向きに検討したいとのことで物件の情報をお知らせしました。それから数日後、Y様より連絡があり、知人で物件を購入したいという人が見つかり、その方から直接取引をしようと言われているので媒介契約を解約したいとのことでした。詳細を聞くとその知人とは先日問い合わせ頂いた外国のお客様で、その人が直接訪ねてきて仲介手数料がかからずお得なので直接取引をしましょうと持ち掛けられたそうです。Y様には仲介手数料をかけたくないという気持ちはわかるが、直接取引は様々なリスクがありトラブルになりやすい、さらに今回の買手は外国の方で文化と習慣が違うのだからより一層トラブルになりやすい。仲介手数料をケチったばかりに仲介手数料以上の損害を被る可能性があると説明しましたが、一方的に「買主さんはいい人なので心配ない、とにかく解約でお願いします。」と言われて電話が切れてしまいました。
その後電話をしますが繋がりません。最後の電話から2週間ほどたったころY様から電話がありました。内容は謝罪と改めて仲介に入って欲しいというお願いでした。この2週間で買主と打ち合わせをしたところ、急に金額の値下を強要されたり、Y様に不利な取引条件を提示されたりと話がまとまらなかったそうです。弊社が忠告したことが身に染みて分かったので、どうにか今回の話をまとめて欲しいとお願いされました。そこから再度Y様の仲介として買主である外国のお客様と打ち合わせと交渉をかさねました。売買金額の件や条件面を色々言われましたが、Y様の事情も説明し最終的には納得して「当初の金額での売買で値下はしない、Y様に不利・負担になる条項はなし。」という形で売買契約をまとめることができました。決済も問題なく執り行うことができ無事Y様の住宅ローンは完済しY様の希望通りの解決となりました。
Y様は取引が終わったあと、再度「あの時は一方的に解約と言って申し訳なかった。」と謝罪して頂きましたが、私としてはY様をとても心配していましたので、最終的に弊社に頼って頂いてよかったと思っております。
一般的な仲介業者を伴う不動産売買ですら不測の事態がおきトラブルに発展するケースは珍しくはありません。直接取引をお考えの際は十分ご注意ください。