任意売却最新情報

大田区N様「取引直前の税金差押を持ち前の打開力で回避」

今回の依頼主は大田区のN様。N様との出会いは、いい任売.JPへのお問い合わせがきっかけでした。ご自宅の件で相談したいという事で、早速お会いさせて頂く事となりました。N様は勤めていた会社が世に言うブラック企業で、休みもなく長時間労働の勤務体系だったそうです。そんな中一生懸命働き続けていたそうですが、体に限界がきて退職せざるを得なくなってしまい収入が途絶えてしまったとのこと。当然生活するので精一杯で、どうにか再就職して働き始める事はできましたが休職中に滞納していた住宅ローンや生活費として借入をしたカードローンの返済に行き詰ってしまい、とうとう自宅マンションが競売にかけられてしまったそうです。N様は寝に帰るだけの家なのでこれを気に売却をして勤め先近くの賃貸物件に引越しをしたいという事で任意売却の依頼を頂く事になりました。

早速、任意売却に向けて調査や準備を進めていく事になりますが、ご依頼を頂いた時には既に競売のタイムリミットが設定されており競売期日まで正味二ヶ月もない状況でした。債権者交渉・買手探索・契約・決済準備と時間は待ってはくれませんので1日1日が勝負と覚悟を決めとりかかりました。

物件は駅から徒歩5分の場所に位置する2SDKの昭和後期築のとても古いマンション。東京23区内の駅徒歩5分と、とても好立地ですが昭和後期の建物で駐車場もない単身又は2人住まい向きの本物件は需要が限られてしまう物件です。さらに室内は長年タバコを吸っていた為、茶色に染まっており臭いも凄くフルリフォームをしなければ一般のお客様が選ぶような物件ではありませんでした。時間に限りがある中で一般のお客様への販売と同時に少しでも高値で買取して頂ける業者を探す営業活動を行いました。一般のお客様からは数組内見依頼があったのですが、予想をしていた通りタバコを吸っている事が原因で具体的な検討はして頂けませんでした。逆に買取業者への営業は想定していた金額より少し高い金額での買取提示が何社か現れ反響は上々、それに加え債権者との価格交渉も順調に進み後は諸条件をつめていけば問題なく任意売却ができる段階まで進んでいきます。最終的に古いマンションをリノベーションして再販する事を専門にしている1社からこれまで提示のあった買取金額を大幅に越える高値を提示して頂き一番条件の良い買主を見つける事ができました。これにはN様も二つ返事で了承して頂き契約する事となります。

債権者、買主、その他関係各所の準備も整い後は売買決済を待つだけとなりました。しかし、ここで大きな問題が発生します。それは直近一年間滞納していた税金についての差押が本物件についてしまった事です。滞納税金がある事は調査をした際に把握しておりましたがその時点では差押はなく、本来であれば税金を滞納されている方の資産が競売になった場合はその時点で税金の差押が入ることが大半で、競売期日間際になって差押がつく事は非常に珍しいのです。尚且つ今回仮に競売を想定したとして税金に配分できるような金額での落札は見込めず権利の順番からしても税金への配当がない為、差押をする事自体全く無駄な行為であり想定外の出来事でした。とはいえこちらとしては差押解除をして頂かなければ任意売却ができなくなってしまいます。今回の売買代金はほとんど債権者への返済分となり税金の納付にまわす予算がありません。N様にどうにかお金を工面できないか相談しても、滞納している税金を全額納付となると数日で用意できる金額ではなく、ここに来て非常に厳しい状況に陥ってしまいます。役所に連日通い一部納付での差押解除の交渉を重ねました。最終的に役所も競売になってしまっては滞納税金が一円も回収できない事も含め一部金納付での差押解除に同意頂き納付金の工面の目途が付き売買決済ができる運びとなりました。決済当日は特に問題もなく無事物件と売買代金の取引と滞納税金の納付を終える事ができました。決済後N様との別れ際、N様は晴れやかな顔をされていました。

 今回は大方の話がまとまり決済直前に税金差押が入ってしまう問題が発生してしまいましたが、持ち前の打開力でN様の理想とする結果を導く事ができて非常に良かったと思う事例でした。