物件は線路沿いに位置する築１８年ほどのマンションで、住宅ローンの滞納が始まった頃に弊社のホームページを見てご連絡を頂き、遠方ではありましたがすぐに所有者宅に赴き、まずお客様のご要望をヒアリングしたうえで丁寧に今後の流れをご説明し、当日には媒介契約を結ばせて頂きました。

所有者様はとにかく住み続けたいというご要望が強く、そのために弊社としてはまずオーナーチェンジや買戻しという選択肢を御提示させて頂きました。

もちろんその為には幾つかのハードルがあるのも事実ですので詳しく内容をご説明させて頂いたうえで、もしご要望にかなわなかった際には第三者に出来る限り高い金額で売却し残債(無担保債権)を極力減らした上で、引越代を捻出して新たな場所でスタートを切るための販売活動も同時に進める事となりました。

その理由としては任意売却の限られた期間内であらゆる選択肢を同時並行に進め、その都度それぞれの進捗状況を報告し最終的な判断はお客様にご決断頂くのが競売を回避するための最良な手段だからです。

さらに、今回の物件は築年数だけでなく、震災による外装のひび割れ・段差なども目立つ物件で、宅内も多少の雨漏りも含め大掛かりなリフォームが必要な状態に加え、線路沿いに位置する事により列車の騒音も激しく、販売活動ではかなり苦戦が予想される物件でした。

ただ、逆にこのような物件のマイナス点を強調する事により債権者交渉では任意売却に応諾頂く価格をかなり減額させることに成功しました。

そして、今回はオーナーチェンジがご希望でしたので将来的に息子さんによる買戻しがしやすいように、所有者様のご親戚にも今回の経緯をご説明したうえで本物件を債権者交渉によって導いた金額にて購入して頂く事により、見事に当初のご希望通りの任意売却が成立しました。

任意売却後の残債（無担保債権）１,５００万円以上については、債権者に今後の家賃を含めた収支を記述した生活状況報告書を提出し、月々５,０００円ずつという生活に無理のない範囲での返済額に応じて頂き、以前の不安な日々とは打って変わって希望に満ちた生活をスタートさせています。